企業年金連合会から通知が来たら?通算企業年金・基本年金とは何か、なぜ自分に記録があるのか、請求の手続き・受け取り開始年齢・税金

企業年金連合会は、会社の企業年金を途中で辞めた方などの年金の原資と記録を預かり、受け取れる年齢になったら年金として支給する組織です。届く書類は、預けたときの「移換完了通知書」、受け取れる年齢になると届く「裁定請求書」、裁定後の「年金証書・裁定通知書」など、時期によって違います。連合会の年金は、国の年金とは別に、連合会へ請求して初めて始まります。金額は人ごとに違うため、このページでは載せていません。通知に書かれた額で確かめます。

届く通知の種類と、やること

連合会から届く書類を、届く順に整理しました。手元の書類がどれに当たるかで、やることが決まります。

届く書類(時期)何を知らせるものかやること
移換完了通知書/年金の引き継ぎのお知らせ(退職して原資が連合会に移ったとき)年金の原資が連合会に移ったこと、加入していた企業年金の名称、将来の年金見込額厚生年金基金の加入員証・年金手帳とともに保管する。住所・氏名が変わったら連合会へ届け出る
企業年金連合会老齢年金裁定請求書と「年金の請求手続きのご案内」(支給開始年齢に到達する月の初め)年金を受け取れる年齢になったこと書いて、添付書類とあわせて連合会へ返送する
企業年金連合会老齢年金証書・裁定通知書(請求から1〜2か月)裁定が済み、年金額・初回の支払年月・支払月が決まったこと内容を確かめて保管する(年金額は引き継ぎのお知らせと違うことがある)
企業年金連合会老齢年金振込通知書(毎年1月下旬)1年間の支払予定保管する。なくしたときは再発行を依頼する
公的年金等の源泉徴収票(毎年1月)その年の支払総額と源泉徴収された税額確定申告をするときに使う。なくしたときは再発行を依頼する
公的年金等の受給者の扶養親族等申告書(毎年9月、対象の方のみ)源泉徴収の対象の方への、人的控除を受けるための申告書控除を受けたい方だけ期限までに出す
受給権者現況届(一部の方のみ)生存の確認期限までに必ず出す。出さないと支払いが一時差止めになる

出典:企業年金連合会「年金を請求したいとき」「『移換完了通知書』・『年金の引き継ぎのお知らせ』について」「年金の支払月」「年金と税金」、年金Q&A、受給者のしおり(いずれも2026年10月3日確認)。書類の名称は、預けた時期や年金の種類で異なります。

通算企業年金・基本年金とは

連合会が支給する年金は、どの企業年金の、どの部分を預けたかで名前が変わります。連合会は、次のように分けて案内しています。

年金の名称預けられた原資預けられた時期
通算企業年金確定給付企業年金(DB)の中途脱退者の脱退一時金相当額、制度が終了したDBの残余財産分配金、厚生年金基金の加算部分、企業型DCの個人別管理資産平成17年10月以降。企業型DCの個人別管理資産は令和4年5月以降
基本年金厚生年金基金の中途脱退者の基本部分(国の老齢厚生年金の代行部分+基本プラスアルファ)平成26年3月までに連合会へ支給義務の移転を申し出た方
代行年金解散した厚生年金基金の加入員だった方の代行部分平成26年3月までに解散した基金

出典:企業年金連合会「企業年金連合会が行う給付の種類」(2026年10月3日確認)。平成17年9月までに預けた加算部分は「基本加算年金」「代行加算年金」と呼ばれます。平成26年4月以降は、連合会へ基本部分の支給義務の移転を申し出ることはできません。

違いを一言で言えば、基本年金・代行年金は、国の老齢厚生年金の一部を厚生年金基金が代行していた部分です。そのため、国の老齢厚生年金と連動して動きます(繰上げ・繰下げ・支給停止)。通算企業年金は企業年金独自の部分で、国の年金とは別に動きます。

なぜ自分に記録があるのか

連合会の案内では、「企業年金連合会に年金をかけた覚えがない」という問い合わせに、次のように答えています。以前勤めていた会社の企業年金の原資を、連合会が預かっているからです。預けられるきっかけは3つあります。

  • 厚生年金基金を途中で辞めた:平成26年3月までは、厚生年金基金の加入者が中途退職すると、原資と記録が連合会へ移る仕組みでした。
  • 確定給付企業年金(DB)を途中で辞めた:連合会への移換は、当初から本人の申出による任意です。中途脱退者が申し出ると、DBの資産管理運用機関が脱退一時金相当額を連合会へ移し、連合会が年金を支給します(確定給付企業年金法第91条の19)。連合会が支給を行うことになったときは、本人への通知が義務づけられています。これが「移換完了通知書」です。
  • 加入していた企業年金が解散・終了した:終了したDBの残余財産を連合会へ移した方も、連合会が年金を支給します(同法第91条の20)。解散した厚生年金基金の加入員だった方の原資も、連合会が預かっています。

令和4年5月からは、企業型DCの加入者だった方も、連合会の規約に定めがあれば、退職時の資産を連合会へ移して通算企業年金にできます(確定拠出年金法第54条の5)。

中途脱退者になる条件は、加入していた企業年金の規約で決まります。連合会は規約の一例として「加入員期間が10年未満で、脱退(退職)時の年齢が60歳未満」を挙げています。連合会は、短期間で企業年金を脱退した方などの年金記録と原資を預かる、と説明しています。短期間で辞めた企業年金の分が連合会に預けられている形が典型です。移すかどうかの判断や、移換の申出に期限がある点は確定給付企業年金(DB)の受け取り方にまとめています。

記録の調べ方・見込額の確かめ方

書類が見当たらない、届いていない、というときは、次の順で確かめられます。

知りたいこと方法準備するもの
連合会に記録があるか連合会の「年金記録の確認」(インターネット・電話・文書)氏名(旧姓も)、生年月日、住所、基礎年金番号、厚生年金基金の名称と加入員番号など
移換完了通知書が届いていたか「届いていない方一覧」を見る。再発行も依頼できる氏名・生年月日など
いまの見込額手元に引き継ぎのお知らせがなければ、連合会の様式「年金見込額問合せ依頼」で依頼する記入した様式(PDF)
これから移した場合の額連合会の「年金試算シミュレーション」ウェブ上の入力

出典:企業年金連合会「企業年金連合会の年金記録を確認したいとき」「年金見込額を知りたい」(2026年10月3日確認)。電話は企業年金コールセンター0570-02-2666(平日9時〜17時、土日祝・年末年始を除く。ナビダイヤルで通話料がかかる。IP電話は03-5777-2666)。

結婚などで姓が変わっている方は、旧姓のまま預けられた分が別に残っていることがあります。連合会の案内でも、旧姓の分は氏名変更がされずまとめられていない場合がありえる、とされています。調べるときは旧姓も伝えます。

受け取り開始年齢と、繰上げ・繰下げ

連合会の老齢年金の開始年齢は、原則として国の老齢厚生年金と同じです。性別と生年月日で決まります。国の特別支給の老齢厚生年金の対象は、男性が昭和36年4月1日以前、女性が昭和41年4月1日以前に生まれた方で、それより後に生まれた方は65歳からです(日本年金機構)。連合会の年金も同じ取扱いなので、いま通知が届く方の多くは65歳が目安になります。生年月日ごとの正確な年齢は、連合会の「いつから老齢年金が受給できるのか」の表で確かめます。

支給は、開始年齢に到達した月の翌月分からです。年齢の到達は誕生日の前日とされるため、多くの方は誕生月の翌月分からになります。すでに開始年齢を過ぎてから原資が連合会へ移された場合は、移された月の翌月分からです(受給者のしおり)。受け取れる期間は、公的年金と同じく亡くなる月までです。

年金の名称繰上げ(早く受ける)繰下げ(遅く受ける)
基本年金・代行年金国の老齢厚生年金の繰上げと連動。どちらか一方だけの繰上げはできないできる。国の老齢厚生年金の繰下げと連動し、連合会へ「(繰下げ)支給停止申出書」を出す
通算企業年金連合会だけでも繰上げできる。年金額は減り、請求後の取消しはできない増額する仕組みはない

出典:企業年金連合会「いつから老齢年金が受給できるのか」「基本年金・代行年金の繰下げ支給」、年金Q&A(2026年10月3日確認)。繰下げ待機中は連合会からの支払いを止める必要があるため、国の繰下げを予定する方は連合会へも連絡します。連絡が遅れると、あとで過払い分の調整が必要になります。

国の年金の繰上げ・繰下げの考え方は年金の繰り上げ・繰り下げはどっちが得かで整理しています。

代行年金が止まることがある

代行年金は、国の老齢厚生年金の受給権が発生していることが前提です。在職中の調整や、雇用保険(失業給付・高年齢雇用継続給付)の受給、障害年金・遺族年金の選択などで国の老齢厚生年金が支給停止になると、代行年金も一部または全部が止まることがあります。止まっている額は、年金証書・裁定通知書の「支給停止額」の欄に載ります。

請求の手続きと届く書類

連合会の年金は、請求した人に対して連合会が確認(裁定)して支給します(確定給付企業年金法第91条の24)。流れは次のとおりです。

いつやること必要なもの
支給開始年齢に到達する月の初め裁定請求書と「年金の請求手続きのご案内」が、連合会に登録された住所へ届く届いた書類
届かないとき電話・インターネット・文書・来訪のどれかで送付を依頼する。おおむね1週間で届く基礎年金番号など。代理人は委任状
書類が届いたら裁定請求書に書いて、添付書類とあわせて返送する基礎年金番号が分かる書類のコピー。住民票の住所と現住所が違う人は住民票。金融機関の証明を受けない人は通帳のコピー
返送の約1〜2か月後年金証書・裁定通知書が届く年金額、初回の支払年月、支払月を確かめる
その後年金額と誕生月で決まる支払月に、支払月の1日に前月分までが振り込まれる年金額が6万円未満は年1回、6万円以上15万円未満は年2回、15万円以上27万円未満は年3回、27万円以上は年6回

出典:企業年金連合会「年金を請求したいとき」「裁定請求書の書き方」「年金の支払月」、年金Q&A(2026年10月3日確認)。印字された氏名・住所に誤りがあるときは、裁定請求書の記入欄に正しく書きます。旧姓が印字されているときは現在の氏名を書きます。

基礎年金番号が分かる書類は、次のどれか1つ

  • 国の年金手帳の基礎年金番号のページのコピー
  • 基礎年金番号通知書のコピー
  • 国の年金証書(国民年金・厚生年金保険年金証書)のコピー
  • 厚生年金基金加入員証のコピー(請求書の「加入していた企業年金の名称」に加入員番号が印字されている基金のもの)

基礎年金番号が違う書類を複数お持ちなら、すべてコピーして付けます。連合会が、別の加入記録を預かっていないかを確かめるためです。

先に国の手続きが要る人

解散した厚生年金基金の加入員だった方(代行年金)と、連合会の年金を繰り上げる方(通算企業年金を除く)は、先に国の老齢厚生年金を請求します。国の年金証書のコピーが必要で、連合会は国の受給権の取得年月を確認してから裁定請求書を送ります。年金証書をなくしたときは、年金事務所で再発行を依頼します。国の年金の請求書の出し方は年金の受給手続きを見てください。

請求しないとどうなる?

連合会の年金は、請求がないと始まりません。ただし、連合会のQ&Aには、裁定請求書の提出が遅れても「受給権発生月の翌月分から受給できることに変わりはありません」と書かれています。

手続きがないまま一定期間がたった一部の方には、連合会が裁定請求書を改めて送ります。このとき、「年金見込額及び初回受取見込額について」という文書が同封されます。これまで受け取っていない年金の総額を「初回受取見込額」として示すもので、手続きが終わると受け取れます。

今回確認した連合会の案内には、時効の記載は見当たりませんでした。長い間手続きをしていない場合の扱いは、連合会のコールセンターで確かめてください。なお、国の老齢年金は5年を過ぎた分が時効で受け取れなくなる場合があります(年金の受給手続き)。

額が「引き継ぎのお知らせ」と違うとき

年金証書・裁定通知書の額が、引き継ぎのお知らせに書かれた見込額より低いことがあります。基本年金・代行年金は国の老齢厚生年金の一部を代行しているため、昭和61年と平成12年の法律改正による国の水準の引下げに連動して下がっているからです。

税金(雑所得・源泉徴収・確定申告)

連合会の老齢年金は、雑所得として所得税と復興特別所得税がかかり、公的年金等控除の対象になります。厚生年金基金から引き継いだ基本年金・代行年金は所得税法第35条第3項第1号(政令で定める年金。施行令第82条の2第1項第13号が、旧厚生年金保険法の厚生年金基金・企業年金連合会の年金を挙げています)、確定給付企業年金法に基づく年金は同項第3号です。国税庁も、確定給付企業年金法の規定に基づく年金を公的年金等に含めています(タックスアンサー No.1600)。

年金から天引きされる(源泉徴収)かどうかは、年金のもとで違います。

年金のもと源泉徴収の対象人的控除
厚生年金基金から引き継いだ年金(基本年金・代行年金・基本加算年金・代行加算年金、およびそれらに付く通算企業年金)年金額が一定以上の方のみ。令和8年分は127万円(65歳未満155万円)以上、令和9年分は137万円(65歳未満164万円)以上対象の方に毎年9月ごろ届く「扶養親族等申告書」を出すと受けられる
DB・企業型DCから引き継いだ通算企業年金年金額にかかわらず全員。DBで本人が拠出した掛金に当たる分は対象外―

出典:企業年金連合会「年金と税金」「『令和9年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書』の提出について」(提出期限は令和8年10月30日と案内されている)、受給者のしおり(2026年10月3日確認)。平成26年4月以降の申出で移された通算企業年金は、DBから引き継いだ年金と同じ扱いです。

確定申告は要る?

連合会の案内では、連合会の年金を受け取った方は原則として確定申告が必要ですが、公的年金等の収入金額の合計が400万円以下で、公的年金等以外の所得が20万円以下なら申告は要りません(所得税法第121条第3項)。国の年金と合算して判断します。申告が要らない場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。医療費控除などで還付を受けるための申告は、できます。

令和7年分・令和8年分は、基礎控除の見直しがあったため、厚生年金基金から引き継いだ年金で源泉徴収された税額がある方は、確定申告で還付を受けられる可能性があると連合会が案内しています。詳しくは税務署に確認します。申告の要否の考え方は年金の確定申告は必要?、源泉徴収票の見方と再発行は年金の源泉徴収票はいつ届く?にまとめています。

よくある質問

Q. 企業年金連合会に年金をかけた覚えがないのに、請求書が届きました。何ですか?

A. 企業年金連合会は、会社の企業年金(厚生年金基金や確定給付企業年金)を途中で辞めた方などの年金の原資を預かり、将来の年金として支給する組織です。連合会の案内では、裁定請求書は「以前お勤めだった会社の企業年金の原資を預かっていて、受け取れる年齢に達したため送った」ものと説明されています。心当たりがなくて不安なときは、届いた書類に載っている番号ではなく、企業年金連合会の公式サイトに載っているコールセンター(0570-02-2666、平日9時〜17時)で記録を確認できます。

Q. 日本年金機構に年金請求書を出せば、連合会の年金も始まりますか?

A. 別の手続きです。連合会が支給する年金は、請求した人に対して連合会が裁定します(確定給付企業年金法第91条の24)。受け取るには、連合会から届く裁定請求書を連合会へ返送します。国の年金の請求書は年金の受給手続きにまとめています。

Q. 年金を繰り下げるつもりです。連合会の年金も繰り下げられますか?

A. 繰り下げて増額できるのは、基本年金と代行年金だけです。国の老齢厚生年金の繰下げと連動していて、国の繰下げをしないと連合会の分だけ繰り下げることはできません。繰下げ待機中は連合会の支払いも止める必要があるため、連合会へ「(繰下げ)支給停止申出書」を出します。通算企業年金には、繰り下げて増額する仕組みはありません(企業年金連合会「年金Q&A」)。

Q. 引っ越しや結婚で、住所や名前が変わっています。

A. 請求の前でも、住所や氏名が変わったときは連合会へ変更の手続きをします。必要な書類を確実に届けるためです。旧姓のまま預けられている分は、氏名変更がされず、まとめられていない場合があると連合会が案内しています。コールセンターかインターネットの記録確認で、旧姓の分も含めて調べてもらえます。

Q. 通算企業年金は、一時金でまとめて受け取れますか?

A. 通算企業年金は年金で受け取るのが基本です。受給者のしおりでは、保証期間(年金の受取開始年齢から原則80歳に達するまで)の間に限り、災害で住宅などに著しい損害を受けた、債務の弁済、長期入院など、やむを得ない事情があるときに、年金に代えて「選択一時金」を請求できるとされています。受給者が保証期間中に亡くなったときは、遺族が「死亡一時金」を請求できます。

Q. 連合会の年金を受け取り始める前に、本人が亡くなりました。

A. 連合会の「受給前死亡の連絡」の用紙に書いて、連合会へ送ります。連合会に遺族年金の制度はない、と案内されています。個別の取り扱いは、連合会のコールセンターで確認してください。

参考・出典