地震保険料控除の年末調整の書き方|申告書の欄・5年など長期契約の一括払いの金額・旧長期損害保険料・証明書のどの数字を写すか

会社に勤めていて、火災保険にセットした地震保険に入っている方向けの解説です。地震保険料は、保険料控除申告書の「地震保険料控除」の欄に書きます。書く金額は、保険会社から届く地震保険料控除証明書の「控除対象保険料」です。5年など長期の契約を一括で払っていても、証明書に載るのは、その年の分の金額です。各社の案内では、一括払いの保険料を保険期間の年数で割った額になります。この記事では、国税庁と各保険会社の公式の案内で、申告書の欄、証明書の見方、長期契約、旧長期損害保険料を整理します。

申告書の「地震保険料控除」欄に書くこと

国税庁の記載例は、保険会社等の名称、保険等の種類などを、地震保険料控除証明書や契約証書を参考に書くとしています。「地震保険料又は旧長期損害保険料区分」の欄には、証明書等に記載されている適用制度の区分に○を付けます。

申告書の項目書くこと記載例
保険会社等の名称証明書や契約証書を見て書く××火災
保険等の種類(目的)証明書の「保険の種類」「保険の対象」地震(建物)
保険期間証明書の「保険期間」5年
契約者の氏名証明書の契約者山川 太郎
地震保険料又は旧長期損害保険料区分証明書等に書かれた適用制度の区分に○「地震」に○
あなたが本年中に支払った保険料等の金額証明書の「控除対象保険料」42,000円

出典:国税庁「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」保険料控除申告書の記載例(pdf/307.pdf)「3 地震保険料控除額等の記入」、2026年10月2日に記載例の画像で確認。

家屋や家財に住んでいる人・使っている人は、あなた本人か、あなたと生計を一にする親族であることが条件です(国税庁の記載例)。国税庁の「年末調整のしかた」は、控除の対象を所得者本人が支払ったものに限るとしています。割戻金を受けた年は、その年に支払った保険料の合計から割戻金を差し引いた残額が対象です。

記載例には、旧長期損害保険料の行もあります。「▲▲火災」の「積立傷害」・20年・「旧長期」に○・14,800円で、地震の42,000円と合わせた控除額は、計算上54,400円になり、上限の50,000円が控除額になります。地震保険料と旧長期損害保険料の両方がある場合の合計の上限は5万円です(国税庁No.1145)。申告書全体の書き方は保険料控除申告書の書き方、いくら戻るかは地震保険料控除でいくら戻るにあります。

証明書のどの数字を写すか

国税庁の記載例にある地震保険料控除証明書の見本は、次のような項目です。見本で赤枠で示されているのは、保険の種類・保険の対象・控除対象保険料の3か所です。

証明書の項目見本の内容申告書での使い方
保険の種類地震保険「保険等の種類」を書く参考(赤枠)
保険の対象又は被保険者建物「保険等の種類(目的)」を書く参考(赤枠)
保険期間令和8年1月1日から令和12年12月31日まで5年間「保険期間」の「5年」
払込方法一時払書く欄はない
1回分保険料42,000円赤枠ではない
控除対象保険料42,000円金額の欄に写す(赤枠)

出典:国税庁「令和8年分 各種控除について(給与所得者用)」記載例(pdf/307.pdf)の「(保険料控除証明書からの記載例)」、2026年10月2日に画像で確認。見本の「その他」欄には「上記保険料は、所得税法第77条第1項に規定する地震保険料に該当するものです。」とあります。

三井住友海上の記入方法の案内も、保険料控除証明書の「控除対象保険料」から転記するとしています。「保険等の種類」が「地震」の場合は「地震」に○、それ以外は「旧長期」に○を付けるという説明です。

5年など長期契約の一括払いは、年数で割った金額

控除の対象になる金額は、その年に支払った保険料です。国税庁の「年末調整のしかた」は、翌年以後に払込期日が到来する保険料を一括して払い込んだ、いわゆる「前納保険料」があるときは、地震保険料も生命保険料の場合と同様に取り扱うとしています。保険期間が1年を超える契約を長期一括払いした場合に、実際に何円と証明書に載るかは、各社の案内が具体的です。

会社一括払いの控除対象保険料案内の例
損保ジャパン地震保険料÷地震保険期間(年)5年・地震保険料5万円なら毎年1万円
東京海上日動一時払保険料÷保険期間(年)。2年以上の契約証明書に、一部を除き控除の対象となる年を表記
三井住友海上一時払保険料を保険期間(年数)で割る証明書の説明も確認

出典:損保ジャパン「控除の対象となる保険料について」、東京海上日動「地震保険料控除証明書の発行」、三井住友海上「保険料控除証明書の発行内容」、2026年10月2日確認。三井住友海上は「ご契約内容によって異なる場合がありますので、証明書に記載の説明をご参照ください」としています。

2年目以降の分は、毎年届く証明書の金額を、その年の申告書に書きます。損保ジャパンの案内では2年目以降分は毎年10月中旬までに郵送、東京海上日動と三井住友海上の案内では翌年以降は10月に控除証明書ハガキが届きます。

12月始期の契約は、控除対象の年が翌年になることがあります。三井住友海上の案内では、令和8年12月始期で初回保険料を口座振替またはクレジットカード払(登録方式)で払う場合の控除対象年は令和9年です。東京海上日動の案内でも、口座振替の12月始期は翌年1月に初回保険料を払うため、翌年の所得から控除し、保険証券に添付の証明書には「0円」と表示されます。損保ジャパンの案内では、口座振替・クレジットカード払は翌年1月に引き落としのため翌年の申告です。払込票で当年12月末までに払った場合は、払った年の申告です。

旧長期損害保険料は、条件がそろった契約だけ

平成18年の税制改正で損害保険料控除は廃止されましたが、経過措置として、次の3つをすべて満たす長期の損害保険契約の保険料は、地震保険料控除の対象にできます(国税庁No.1145)。

  • 平成18年12月31日までに締結した契約(保険期間の始期が平成19年1月1日以後のものは除く)
  • 満期返戻金等のあるもので、保険期間が10年以上の契約
  • 平成19年1月1日以後に、その契約の変更をしていないもの

申告書では、区分の欄の「旧長期」に○を付けます。1つの契約が地震保険料と旧長期損害保険料の両方に当たる場合は、どちらか一方の控除を選びます(国税庁の注)。損保ジャパンの案内では、積立型の保険の扱いは次のとおりです。

契約の種類・始期保険期間3〜9年保険期間10年以上
積立型傷害保険・2006年12月31日以前対象外旧長期損害保険料
積立型傷害保険・2007年1月1日以降対象外対象外
積立型火災保険・2006年12月31日以前主契約は対象外、地震は地震保険料主契約は旧長期損害保険料、地震は地震保険料
積立型火災保険・2007年1月1日以降主契約は対象外、地震は地震保険料主契約は対象外、地震は地震保険料

出典:損保ジャパン「保険料控除の対象となる具体的な保険の種類について」、2026年10月2日確認。ほかの会社の商品は、各社の案内か手元の証明書で確認してください。

三井住友海上・東京海上日動・AIG損保の案内では、2007年1月1日以降に保険料の変更を伴う契約内容の変更があると、その年の1月1日にさかのぼって経過措置の対象外になります。ただし、3社とも、地震保険部分だけの変更は、この変更に含まれないとしています。

証明書はいつ届く・なくしたときは

会社契約・継続した年翌年以降
損保ジャパン保険証券(継続証)に添付。商品により郵送毎年10月中旬までに郵送
東京海上日動保険証券に同封10月下旬頃にハガキ
三井住友海上保険証券等に付属10月中旬〜下旬にハガキ
あいおいニッセイ同和保険証券等に付属10月中旬〜下旬にハガキ

出典:損保ジャパン「控除証明書発行の流れ」、東京海上日動「地震保険料控除証明書の発行」、三井住友海上「保険料控除について」、あいおいニッセイ同和「保険料控除制度」、2026年10月2日確認。

なくしたときは、三井住友海上の令和8年分の再発行は、インターネット・電話ともに2026年10月19日(月)から受付開始予定です。あいおいニッセイ同和は、令和8年分の再発行受付を10月中旬頃に予定しています。AIG損保は、インターネットで再発行請求ができます。ほかの会社は、契約している保険会社の案内でご確認ください。

国税庁の「年末調整のしかた」では、証明書は金額にかかわらず、保険料控除申告書に添付または提示します。電子データで出す方法は年末調整のマイナポータル連携とはにまとめています。あいおいニッセイ同和の案内では、日本損害保険協会の「保険料控除証明書発行サービス」で電子データを取得できます。火災共済・自然災害共済・JA共済の建物更生共済の分は共済の年末調整の書き方にあります。

なくしたまま会社の締め切りが来そうなときは、国税庁の「年末調整のしかた」にある、翌年1月末日までに提出または提示することを条件とした扱いを、勤務先の担当部署に確認してください。

よくある質問

Q. 火災保険の保険料も、地震保険料控除の欄に書けますか?

A. 国税庁のNo.1145・1146は、控除の対象を地震等損害部分の保険料としています。損保ジャパンの案内では、主契約となる火災保険は対象外で、地震危険を補償する特約は対象です。AIG損保の案内でも、地震保険のセットされていない火災保険は平成19年以降、保険料控除の対象になりません(一部経過措置あり)。届いた証明書の控除対象保険料がそのまま書く金額です。

Q. 5年契約を一括で払いました。払った年に5年分を全部書けますか?

A. 損保ジャパンの案内は、1年を超える契約で保険料を長期一括払いした場合、毎年の始期応当月日に保険料を支払ったものとみなすとしています。例として、2026年4月1日始期・保険期間5年・地震保険料5万円なら、各年に1万円ずつ支払ったものとみなします。東京海上日動と三井住友海上の案内も、一時払保険料を保険期間の年数で割った金額が毎年の控除対象保険料です。契約した年に5年分を全部書く形ではありません。

Q. 別荘や空き家の地震保険は対象になりますか?

A. 所得税法第77条は、常時その居住の用に供する家屋、または生活に通常必要な動産を対象としています。東京海上日動の案内でも、常時住居として使用されていない建物(別荘、空家等)は対象になりません。

Q. 保険料を給与から天引きしている(団体扱)場合は、自分で書きますか?

A. 東京海上日動の案内では、団体および団体扱の契約は、勤務先に年末調整用の資料やデータを送るため、原則として控除証明書を発行していないとされています。三井住友海上の案内も、勤務先から保険料を給与控除している団体扱の契約は、勤務先に年末調整用の資料やデータを送付するとしています。自分の分が勤務先で処理されているかは、勤務先の担当部署に確認してください。

Q. 年の途中で解約や変更をしました。

A. 損保ジャパンの案内は、保険期間の中途で解約・変更などを行った場合は計算方法が異なる場合があるとしています。三井住友海上の案内も、証明書の発行後に契約内容の変更手続きなどをした場合は、控除対象となる保険料が変更または控除対象外になることがあるとしています。旧長期損害保険料は、保険料の変更を伴う変更があると、その年の1月1日にさかのぼって経過措置の対象外になります(三井住友海上・東京海上日動・AIG損保の案内)。

Q. 会社の提出期限までに証明書が届きません。

A. 国税庁の「年末調整のしかた」は、証明書類の交付を請求中などで確認できない場合でも、翌年1月末日までに提出または提示することを条件に、控除したうえで年末調整を行ってもよいとしています。実際の締め切りや扱いは勤務先によって異なるので、先に勤務先の担当部署に確認してください。

参考・出典

※国税庁と各保険会社の公式サイトに書かれている範囲の整理です。保険の種類や契約時期、払込方法で扱いは変わるため、個別の事情や、勤務先の年末調整の扱いは、届いた証明書、保険会社、勤務先の担当部署、税務署でご確認ください。東京海上日動と損保ジャパンの再発行の手順は、2026年10月2日時点で本文が取得できなかったため、書いていません。

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