育休の延長の手続き|1歳6か月・2歳まで延ばせる条件・保育園の入所保留通知書(不承諾通知)・申し込みの期限・会社とハローワークに出す書類・わざと落ちる申し込みは認められるか

育休中も会社に在籍している会社員の方が、子が1歳になったあとも育休を延ばす手続きを整理した解説です。育児・介護休業法では、延ばせるのは子が1歳6か月まで、さらに2歳までで、どちらも「延長事由」に当たることが必要です。主な事由は、保育所等に申し込んだが当面入所できないこと。令和7年4月からは、入所保留通知書に加えて、速やかな職場復帰のための申込みだったかをハローワークが確認します。

延ばせる期間と条件・出す書類

育児休業は原則として子が1歳になるまでです。1歳以降は、段階ごとに別の申出をします。「1歳到達日」は子の1歳の誕生日の前日のことです。

段階条件出す書類
1歳から1歳6か月まで 1歳到達日に本人か配偶者が育休中で、延長事由に当たること。この段階の延長の育休を、まだしていないこと 会社に育児休業申出書。ハローワークに支給申請書・延長事由認定申告書・申込書の写し・入所保留通知書など
1歳6か月から2歳まで 1歳6か月到達日に本人か配偶者が育休中で、その後の期間も延長事由に当たること。この段階の延長の育休を、まだしていないこと 同じ書類を、1歳6か月到達日後の分として改めて出す
保育所等以外の事由 配偶者の死亡、負傷・疾病・障害で養育が困難、別居、6週間(多胎は14週間)以内に出産予定か産後8週間以内 世帯全員の住民票(続柄あり)の写し、母子健康手帳(写し可)、配偶者の状態の医師の診断書など

出典:育児・介護休業法第5条第3項〜第5項、施行規則第6条・第6条の2、厚生労働省パンフレット「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和8年8月1日改訂版)。2026年10月3日確認。パパ・ママ育休プラスで終了予定日が子の1歳到達日より後になる場合は、1歳到達日を育児休業の終了日(1歳2か月が上限)に読み替えます。

延長事由の中で最も多く使われるのは、保育所等に申し込んだが当面入所できない場合です。施行規則第6条第1号は「保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当面その実施が行われない場合」と書いています。

保育園に入れなかった場合の要件

雇用保険施行規則第101条の25第1号には、保育所等に入れないことのあとに「速やかな職場復帰を図るために保育所等における保育の利用を希望しているものであると公共職業安定所長が認める場合に限る」と書かれています。厚生労働省のリーフレットでは、次の3つをすべて満たす必要があります(1歳6か月後の延長では、「1歳到達日」を「1歳6か月到達日」に読み替えます)。

  • 市区町村に、あらかじめ保育利用の申込みをしている:入所申込みの年月日が、1歳到達日までであること。
  • 速やかな職場復帰のための申込みだと認められる:入所希望日が原則として1歳到達日の翌日以前、合理的な理由なく自宅から通所に片道30分以上かかる施設だけを申し込んでいない、入所保留になることを希望する意思表示をしていない、の3点を満たすこと。
  • 1歳到達日の翌日時点で、保育所等を利用できる見込みがない:市区町村の通知書の発行年月日にも条件があります(次の節)。

片道30分以上の施設でも、リーフレットは「合理的な理由」として、勤務先や通勤経路の途中にある場合、30分未満の施設がない場合、30分未満の施設の開所時間・開所日が復帰後の勤務に合わない場合、子の疾病や障害で配慮が必要な場合、きょうだいが在籍する施設を希望する場合などを挙げています。

次の場合は、延長の対象になりません。

  • 申込みを失念した、市区町村に問い合わせて「入所は困難」と言われ、期限内に申込みをしなかった
  • 市区町村の申込み期限に間に合わなかった(4月入所の受付は、ほかの月よりかなり早い市区町村が多いと、リーフレットに注意書きがあります)
  • やむを得ない理由なく、内定を辞退した

例外が2つあります。子の病気や障害で、市区町村が申込みを受け付けない場合は、理由を申告書に書き、障害者手帳の写しや医師の診断書などを添付します。1歳到達日の翌日を含む月の入所を対象にした募集がない場合は、その2か月後までの日を入所希望日にして申し込めば、延長が認められる場合があります。後者は1歳6か月後の延長には使えません。

入所保留通知書(不承諾通知)の日付

通知書は、子が1歳到達日の翌日(誕生日)時点で保育が実施されないことを確認するための書類です。発行年月日の条件があり、リーフレットでは次のように整理されています。誕生日が9月15日の子なら、7月15日以後の発行が目安です(4月入所の申込みは3か月前の日以後)。

通知書の発行日使えるか理由
誕生日の2か月前の日以後使える誕生日時点で保育が実施されないと確認できる
それより前で、保留の有効期間に誕生日を含み、新しい通知が出ない使える申告書の理由欄にその旨を書き、直近の通知書を出す
それより前で、保留の有効期間が誕生日の前に切れる使えない延長には、誕生日に近い月の入所の申込みが必要(リーフレットの例では8月または9月)

出典:厚生労働省リーフレット「保育所等に入所できない場合の育児休業給付金の支給対象期間延長について」(LL060701保02)。2026年10月3日確認。市区町村の申込み受付の都合で条件を満たす通知書が出せないときは、1歳到達日の翌日以前の2回以内の申込み機会に申し込んでいれば、募集がないことが分かる資料と申告書の理由欄で対応できる場合があります。

通知書の名前は市区町村によって違います。申込書の写しは全ページ、入所保留になることを希望する旨の書類を出している場合はその写しも、ハローワークに提出します。申込みのときに、写しを取って保管してください。

わざと落ちる申し込みは認められるか

認められません。厚生労働省のリーフレットは、育児休業と給付金の延長を目的にして、保育所等を利用する意思がないのに市区町村へ入所を申し込むことを、「制度趣旨に沿わない行為」としています。

  • 見直しの経緯:令和5年の地方分権改革の提案募集で、自治体から「入所意思がなく、給付延長のために申込みを行う者への対応に時間が割かれる」という要望が出て、令和7年4月から手続きが変わりました。
  • 確認される書類:申込書の写しは、全ページを出します。「保育所等への入所を希望していない」「速やかに職場復帰する意思がない」「選考結果にかかわらず育児休業の延長を希望する」といった記載があり、入所や復帰の意思がないことが明白なときは、要件を満たしません。
  • 写しの内容が実際と違った場合:申込書の写しの内容が実際の申込みと異なるとわかると不正受給に当たり、受け取った額の返還を求められます。悪質な場合は、さらに一定の金額の納付を命じられることがあります。
  • 市区町村への確認:申込書の写しの内容を、ハローワークが市区町村に確認する場合があります。

この延長は、保育所に入る気持ちで申し込み、入れなかった場合の制度です。結果を狙って申し込む使い方は、おすすめしません。子の病気や障害で市区町村が申込みを受け付けない場合のように、事情があるときの例外は、前の節に書いたとおりです。

会社とハローワークに出す書類と時期

育休を延ばす申出は会社に、給付金の延長はハローワークに、それぞれ出します。

  • 会社:育児休業申出書。施行規則第7条第1項第8号により、延長事由に当たる事実(保育所等の申込みをしたが入れない、など)を書きます。会社は、その事実を証明する書類の提出を求めることができます(同条第7項)。申出の方法は書面が基本で、FAXや電子メールは会社が適当と認める場合です。
  • 会社への申出の時期:延長の育休の開始予定日は、原則として1歳到達日の翌日(配偶者が延長の育休をする場合は、その終了予定日の翌日以前の日)です(法第5条第6項)。1歳到達日(1歳6か月の延長では1歳6か月到達日)までに出す延長の申出で、申出日の翌日から2週間を経過する日より前を開始予定日にすると、会社が開始予定日を指定できます(法第6条第3項)。余裕を持って出してください。
  • ハローワーク:育児休業給付金支給申請書の延長事由の欄と、延長事由認定申告書、市区町村に保育所等の利用を申し込んだときの申込書の写し、保育所等の利用ができない旨の通知(入所保留通知書など)。
  • 提出先と提出者:事業所の所在地を管轄するハローワークです。会社経由が原則で、やむを得ない場合や本人が希望する場合は、本人が出すこともできます。電子申請も使えます。
  • 提出の時期:子が1歳に達する日以後に、最初に出す支給申請のときです。1歳6か月後の延長は、その時点で同じ手続きをもう一度行います。

提出書類の様式と記入例は、厚生労働省の「育児休業給付金の支給対象期間延長手続き」のページにあります。会社の担当者が様式を持っていることが多いので、先に聞くと早く進みます。

延長中の給付金と住民税

延長の要件を満たすと、育児休業給付金は1歳6か月に達する日前まで、さらに延長すると2歳に達する日前まで、支給対象になります。雇用保険法第61条の7第6項では、給付の率は休業日数が通算180日に達するまでが67%、それ以降が50%です。

給付金の額の計算と受給条件は育児休業給付金の計算方法・受給条件と手続きの流れ、月給ごとの目安は出産手当金・育児休業給付金の計算機にまとめています。育休中の住民税の納め方は住民税の納付書が届かないのはなぜ?を見てください。

延長できない場合

  • 延長事由に当たらない:保育所に入れなかっただけでは足りず、速やかな職場復帰のための申込みだとハローワークが認めることが必要です。
  • 申込みの期限・入所希望日の条件を外れた:入所申込みが1歳到達日(1歳6か月後の延長は1歳6か月到達日)より後、入所希望日がその翌日より後、など。
  • 通知書の発行日の条件を満たさない:誕生日の2か月前(4月入所は3か月前)より前の通知書で、有効期間も誕生日に届かないとき。
  • 有期雇用で、労働契約が満了することが明らかな場合:法第5条第3項・第5項のただし書が、1歳6か月(2歳)に達する日までに労働契約が満了することが明らかでない人に限っています。
  • 労使協定で除外されている場合:会社と労使協定を結んだ対象外の人は、申出を断られることがあります(法第6条第1項)。延長の申出は、申出から6か月以内に雇用関係が終了することが明らかな人も、協定で除外できます(施行規則第8条第1号)。
  • 同じ段階の延長をすでにした:1歳到達日後の延長は1回、1歳6か月到達日後の延長は1回です。

個別に当てはまるかどうかは、会社の人事担当者とハローワークに確認してください。

よくある質問

Q. 1歳6か月まで延長したあと、2歳までもう一度延長できますか?

A. できます。法第5条第4項が、1歳6か月から2歳までの育児休業を別の申出として定めています。1歳6か月に達する日に本人か配偶者が育児休業をしていて、1歳6か月に達する日後の期間についても延長事由に当たることが必要です。保育所等を理由にする場合は、入所の申込みも1歳6か月に達する日までに行い、入所希望日をその翌日以前にします。ハローワークへの延長の手続きも、1歳6か月に達する日後の期間について改めて行います。

Q. 夫婦で交代して延長することはできますか?

A. 法第5条第6項は、延長の育児休業の開始予定日を、子の1歳到達日の翌日(1歳6か月の延長では1歳6か月到達日の翌日)と定めています。配偶者が延長の育児休業をする場合は、その終了予定日の翌日以前の日にできます。厚生労働省のパンフレットは、この場合を「延長交替」として扱い、確認書の提出が必要としています。日付の組み方で支給の可否が変わることがあるので、ハローワークか育児休業等給付コールセンター(0570-200-406)に確認してください。

Q. 保育所に入れる内定が出たのですが、辞退してもいいですか?

A. 厚生労働省のリーフレットは、やむを得ない理由なく内定を辞退した場合は、延長の要件を満たさないとしています。やむを得ない理由として挙げられているのは、申込み時点と内定した時点とで住所や勤務場所などが変わり、内定した保育所等に子どもを入所させられなくなった場合です。辞退する前に、ハローワークに相談してください。

Q. 入所保留通知書の名前が「不承諾通知」や「利用調整結果通知」のように違います。使えますか?

A. リーフレットには、入所保留通知書、入所不承諾通知書など、市区町村によって名称が異なると書かれています。確認されるのは名前ではなく、子が1歳に達する日の翌日時点で保育が実施されないことが読み取れるかどうかと、発行年月日です。迷うときは、通知のコピーを持ってハローワークに見せるのが確実です。

Q. 申込み期限に間に合わなかった場合や、市区町村に電話で聞いただけの場合は?

A. リーフレットによると、市区町村の申込み期限に間に合わず要件を満たす申込みができなかった場合、市区町村に入所の可否を問い合わせただけで申込みをしなかった場合は、延長の対象になりません。例外は、子の病気や障害で市区町村が申込みを受け付けない場合と、1歳到達日の翌日を含む月の募集がない場合の2つで、いずれも理由を申告書に書き、添付書類を付けます。後者は1歳6か月後の延長には使えません。

Q. 延長の手続きは、会社とハローワークのどちらが先ですか?

A. 育児休業そのものを延ばす申出は会社に出します(法第5条)。給付金の延長は、会社を通じてハローワークに出す支給申請書で手続きします。パンフレットでは、1歳に達する日以後に最初に提出する支給申請のときに、延長事由と添付書類を出す形です。保育所の通知書は、会社への申出にも、ハローワークへの申請にも必要になることがあるので、コピーを取っておくと動けます。

参考・出典

※育児・介護休業法、雇用保険法と厚生労働省・ハローワークの案内に書かれている範囲の整理です。延長が認められるかは、ハローワークが個別に判断します。会社の様式や社内の期限は会社ごとに違うので、人事担当者に確認してください。

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