生命保険料控除証明書の見方|保険会社別に申告書のどの欄へ写すか・申告額と証明額・新制度と旧制度の見分け方
年末調整で、保険会社から届いた「生命保険料控除証明書」を保険料控除申告書に写す方向けの解説です。証明書で見るのは、「適用制度」の欄と、「(ご参考)」の「申告額」の欄の2か所です。「適用制度」で申告書の新・旧に○をつけ、「申告額」を一般・介護医療・個人年金の同じ名前の欄に写します。「申告額」が「***」のときは「証明額」を写します。第一生命・日本生命・アフラック・メットライフ生命の公式資料は、この手順で一致していました。各社の公式ページと、国税庁・e-Gov 法令検索の原文で整理しました。戻る金額の目安は生命保険料控除でいくら戻るで試算できます。
どの会社でも同じ3か所|適用制度・申告額・証明額
第一生命・日本生命・アフラック・メットライフ生命の公式資料に共通していた、証明書から申告書への写し方は次の3つです。申告書全体の書き方は保険料控除申告書の書き方にまとめています。
| 証明書の欄 | 申告書のどの欄 | 注意点 |
|---|---|---|
| 「適用制度」(旧制度、新制度、旧制度・新制度) | 「新・旧の区分」の欄。新制度なら「新」、旧制度なら「旧」に○ | 介護医療保険料は新制度のみなので、区分の○は不要(アフラック・メットライフ生命・第一生命) |
| 「(ご参考)」の「申告額」(一般・介護医療・個人年金) | 「あなたが本年中に支払った保険料等の金額」の欄。一般は一般の生命保険料、介護医療は介護医療保険料、個人年金は個人年金保険料の欄 | 新旧の区分ごとに合計する。第一生命の「申告額」は、年間保険料から配当金を引いた額(a−b) |
| 「申告額」が「***」のとき、または表示がないとき | 同じ欄に、「証明額」の金額を書く | 日本生命・メットライフ生命は「***」のとき、第一生命は「申告額」欄に表示がないときの手順 |
出典:第一生命「保険料控除申告書の記入方法」(2026年9月版)、日本生命「保険料控除申告書の記入について」(令和8年分の申告書を基に作成)、アフラック「保険料控除申告書の記入方法について」、メットライフ生命「保険料控除申告書の記入方法について」。いずれも2026年10月2日確認。
日本生命の見本には、「申告額」の近くに「12月分までの保険料をお払込みの場合の金額」という趣旨の注記があります。「申告額」は、年末までの保険料を払い込む前提の金額で、10月ごろに届く証明書には、払い込みが済んでいる分の「証明額」と並んで印字されます。年の途中で解約する予定があるときの考え方は、保険料控除申告書の書き方の該当箇所に書いています。
会社別|証明書の欄の名前と注意点
欄の名前や、受取人など証明書から写せない項目の確認先は会社ごとに少しずつ違います。公式ページの原文が取れた会社を、次の表にまとめました。
| 会社と証明書の欄の名前 | 申告書のどの欄 | 注意点 |
|---|---|---|
| 第一生命 「適用制度」「分類」(旧制度の一般、新制度の一般・介護医療、年金)、(ご参考)の「申告額(a−b)」 | 「申告額」を、新旧の区分ごとに「支払った保険料等の金額」の欄へ。「年金」は個人年金保険料の欄 | 平成24年1月1日以後に更新・特約の中途付加などで契約内容が変わった契約は、変更時点から新制度。個人年金保険料控除には個人年金保険料税制適格特約が必要 |
| 日本生命 ①「年金種類」または「保険種類」、②「年金支払期間」または「保険期間」、③「ご契約者」、「適用制度」、「申告額」 | ①②③は申告書の「保険等の種類」「保険期間又は年金支払期間」「契約者の氏名」へ。「申告額」は支払った保険料等の金額の欄へ | 受取人は、ニッセイマイページ・保険証券・契約内容通知書で確認。年金契約は証明書の「年金受取人名」と「年金支払開始日」も写す。他社の証明書もあわせて申告する |
| アフラック 「適用制度」、(ご参考)の「一般申告額」「介護医療申告額」「個人年金申告額」 | 一般申告額は「一般の生命保険料」、介護医療申告額は「介護医療保険料」、個人年金申告額は「個人年金保険料」の欄へ | 受取人は、保険証券・ご契約者様専用サイト・ご契約内容のお知らせで確認する |
| メットライフ生命 (ご参考)の「一般申告額」「介護医療申告額」「個人年金申告額」、【証明額】欄の「一般証明額」「介護医療証明額」「個人年金証明額」 | 申告額を、同じ名前の欄へ。「***」のときは証明額を書く | 保険料を給与から天引きしている場合は、証明書が給与の支払元(会社)へまとめて送られ、通常は添付が不要。年度の途中で旧制度から新制度に変わった契約は、新旧両方の証明書が発行される |
| 明治安田生命 「適用制度」(旧制度、旧制度・新制度、新制度)、「控除区分」、「証明額(申告額)」 | 公式ページに、欄ごとの対応表はありません。適用制度で、申告できる控除区分が決まります | 新制度では、傷害特約・災害割増特約など身体の傷害のみが対象の特約の保険料は控除の対象外で、証明書に載らない。複数の証明書が届いたら、証明額(申告額)はすべて合算して申告できる |
出典:各社の公式ページ・PDF(第一生命は「生命保険料控除証明書の(再)発行」と記入方法の案内、日本生命は「保険料控除申告書の記入について」、アフラックは「保険料控除申告書の記入方法について」、メットライフ生命は「控除証明書とは」、明治安田生命は「『給与所得者の保険料控除申告書』の記入方法」と「よくあるご質問」)。2026年10月2日確認。証明書の見本画像は、各社の記入例と照合しました。
明治安田生命の「適用制度」は、公式ページのフローチャートでは次のとおりです。「旧制度」の証明書で申告できるのは旧制度の一般・個人年金、「旧制度・新制度」では旧制度の一般・個人年金に加えて新制度の一般・介護医療・個人年金、「新制度」では新制度の一般・介護医療・個人年金です。
住友生命は、記入方法を説明するページが取得できませんでした。公式のよくあるご質問で確認できたのは次の2点です。個人年金保険に入っているのに証明書で「一般」欄に出るのは、個人年金保険料税制適格特約が付加されていないためで、この場合は個人年金保険料控除を受けられません。また、今年の保険料の支払額がない場合や、証明額が0円の場合は、控除証明書が発行されません。ここに載せていない会社の証明書は、会社名で公式ページの記入方法を確認してください。
新制度と旧制度の見分け方|契約日と条文
証明書の「適用制度」は、契約日で決まります。所得税法76条の条文は次のとおりです。
| 契約 | 適用される制度 | 条文(所得税法76条) |
|---|---|---|
| 平成24年1月1日以後に締結した契約 | 新制度。介護医療保険料も、この日以後の契約が対象 | 5項・7項 |
| 平成23年12月31日以前に締結した契約 | 旧制度 | 6項 |
| 平成24年1月1日以後に、旧制度の契約に新契約(特約など)を付けた | その旧制度の契約は、同日以後に締結した契約とみなして、新制度の規定を適用 | 10項 |
出典:e-Gov法令検索「所得税法」76条(2026年10月1日時点の版)、2026年10月2日確認。
契約日が平成23年12月31日以前でも、平成24年1月1日以後に更新や特約の中途付加をした契約は、変更時点から新制度が適用されます(第一生命の資料)。明治安田生命の公式ページでは、平成25年以後にそうした手続きをした年に、手続きより前に払った保険料があるときは、「旧制度・新制度」の証明書が届くと説明しています。
新個人年金保険料の対象になる契約には、条文に要件があります(76条8項)。年金の受取人が保険料の払込みをする人かその配偶者であること、保険料の払込みが年金支払開始日前の10年以上の期間にわたって定期に行われること、年金の支払が受取人の60歳到達日以後の日から10年以上の期間(または生存期間)にわたること、などです。
控除額は、1つの区分ごとに、次の表のとおりです(新制度の場合)。3つの区分(一般・介護医療・個人年金)の合計は、所得税で最高12万円です(76条4項)。
| 1区分の申告額(年間) | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|
| 20,000円 | 20,000円 | 16,000円 |
| 40,000円 | 30,000円 | 24,000円 |
| 60,000円 | 35,000円 | 28,000円 |
| 80,000円 | 40,000円 | 28,000円 |
| 120,000円 | 40,000円 | 28,000円 |
出典:所得税の控除額はe-Gov法令検索「所得税法」76条1項の式。住民税の控除額は、このサイトの生命保険料控除 計算ツールと同じ式です。
令和8・9年分は、年齢23歳未満の扶養親族がいる場合、新制度の一般の生命保険料の所得税の控除額が別の式になり、上限が6万円になります。たとえば、申告額が80,000円のとき、所得税の控除額は通常40,000円、この特例では50,000円です。いくら戻るかは生命保険料控除でいくら戻る、共済に入っている場合は共済の年末調整の書き方を見てください。
手元に証明書がないとき・添付が要らないとき
国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」の、証明書類の取り扱いは次のとおりです。
| 場合 | 扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 証明書類を請求中などで、まだ手元にない | 翌年1月末日までに提出または提示することを条件に、年末調整を行ってよい | 提出日や扱いは会社の案内に従う |
| 勤務先を対象とする団体特約で払っている保険料 | 勤務先が、支払った金額・契約者の氏名・受取人に誤りがないことを確認すれば、証明書類の提出は不要 | メットライフ生命も、給与天引きの場合は証明書が会社へまとめて送られ、通常は添付が不要としている |
| 旧制度の保険料 | 一契約の保険料が9,000円を超えるものだけ、証明書類が必要 | 旧生命保険料以外(新生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料)は、金額にかかわらず全て必要 |
出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」(保険料控除申告書の受理と内容の確認、22〜23ページ)、2026年10月2日確認。
証明書がいつ届くか、申告書をいつまでに会社へ出すかは年末調整の書類はいつ届く・いつまでに出すにまとめています。マイナポータルから電子データで受け取る方法は年末調整のマイナポータル連携とはを見てください。
よくある質問
Q. 証明書の「申告額」と「証明額」は、どちらを申告書に書けばよいですか?
A. 第一生命・日本生命・アフラック・メットライフ生命の資料は、証明書の「(ご参考)」欄の「申告額」を、申告書の「あなたが本年中に支払った保険料等の金額」の欄に写す手順を示しています。申告額が「***」と表示されているとき(第一生命は、申告額欄に表示がないとき)は、「証明額」の金額を書きます。
Q. 旧制度の証明書と新制度の証明書が両方あるときは、どう書きますか?
A. 新制度の金額と旧制度の金額は、申告書の新・旧の区分ごとに別々の欄に書きます。国税庁は、支払った保険料の区分を他の区分に振り替えること(新生命保険料を旧生命保険料に含めるなど)はできないとしています。一般の生命保険料の控除額は、新制度だけの式・旧制度だけの式・新旧の合計(上限4万円)のうち、最も大きい金額になります。
Q. 個人年金保険に入っているのに、証明書の「一般」欄に出ています。個人年金保険料控除は受けられますか?
A. 住友生命のよくあるご質問は、「一般」欄に表示されるのは「個人年金保険料税制適格特約」が付加されていないためで、この場合は個人年金保険料控除を受けられないと説明しています。所得税法76条8項も、新個人年金保険契約等に、受取人や払込み・年金支払の期間などの要件を定めています。
Q. 証明書の保険料が、実際に払った保険料より少ないのはなぜですか?
A. 明治安田生命のよくあるご質問によると、新制度では、身体の傷害のみを原因として保険金が支払われる特約(傷害特約・災害割増特約など)の保険料は生命保険料控除の対象外で、証明書には記載されません。そのため、払い込んだ保険料より証明書の保険料が少なくなることがあります。
Q. 証明書が会社への提出日までに届かないときは、どうなりますか?
A. 国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」によると、証明書類の交付を請求中などで確認できない場合でも、翌年1月末日までに提出または提示することを条件に、生命保険料控除をしたうえで年末調整を行ってよいことになっています。届く時期は、保険会社の発行時期と年末調整の提出期限を別の記事にまとめています。
参考・出典
- 第一生命 生命保険料控除証明書の(再)発行・「生命保険料控除制度」のポイントと「保険料控除申告書」記入方法のご案内(PDF)(2026年10月2日確認)
- 日本生命 保険料控除申告書の記入について(2026年10月2日確認)
- アフラック 保険料控除申告書の記入方法について(2026年10月2日確認)
- メットライフ生命 控除証明書とは(記入方法のPDFを含む。2026年10月2日確認)
- 明治安田生命 「給与所得者の保険料控除申告書」の記入方法・よくあるご質問(2026年10月2日確認)
- 住友生命 よくあるご質問(個人年金保険契約が「一般」欄に表示されるとき)・(控除証明額が発行されないケース)(2026年10月2日確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」保険料控除申告書の受理と内容の確認(2026年10月2日確認)
- e-Gov法令検索 所得税法(76条。2026年10月1日時点の版、2026年10月2日確認)
※各社の公式ページに書かれている範囲の整理です。証明書のレイアウトは契約の内容や件数によって異なります。実際の記入内容は、勤務先の年末調整の担当部署と、各保険会社にご確認ください。