変額保険のデメリットは?最低保証の有無、手数料(費用)の種類、解約返戻金、税金(一時所得)、保険料控除の区分|投資信託・NISA・iDeCoとの制度の違い

変額保険は、株式や債券を中心に資産運用をし、運用実績によって保険金や解約返戻金が変動する保険です。生命保険文化センターは、死亡保険金・高度障害保険金には基本保険金額の最低保証がある一方、満期保険金と解約返戻金には最低保証がない、と説明しています。この記事は入る・やめるを勧めるものではなく、会社に勤めている方が、最低保証・費用・税金・販売ルールを原典で確かめられるように整理したものです。

変額保険のしくみと最低保証の有無

生命保険文化センターの説明をもとに、しくみと、受け取るお金ごとの最低保証を分けます。

  • しくみ:「特別勘定」で運用されます。運用資産は国内外の株式や債券などで、運用実績が保険金額や積立金額の増減につながります。
  • 保険期間:一定期間を保障する「有期型」と、一生涯保障が続く「終身型」があります。満期保険金があるのは有期型です。
  • 受け取り方:「一時金」が一般的ですが、保険会社によっては「年金」で受け取れるものもあります。配当金は「無配当」です。
受け取るお金最低保証根拠
死亡保険金・高度障害保険金 基本保険金額は最低保証。運用実績が良ければ、基本保険金に上乗せして変動保険金を受け取れる 生命保険文化センター「変額保険」
満期保険金(有期型のみ) 最低保証なし。運用実績により変動する 同上
解約返戻金(有期型・終身型とも) 最低保証なし。払込保険料総額を下回ることがある 同上

※生命保険文化センター「生命保険の種類(主契約)」変額保険で、2026年10月3日に確認しました。

デメリットとして原典が注意しているのは、市場リスクです。生命保険文化センターの「市場リスクを有する生命保険とは?」は、株価や債券価格の下落、為替の変動により、積立金額、解約返戻金額は払込保険料の総額を下回ることがあり、損失が生ずるおそれがある、としています。保険料の相場や、どの保険会社・どの商品がよいかは、この記事では取り上げません。特定の商品や会社は勧めません。

手数料(費用)の種類

生命保険文化センターは、変額保険で負担する諸費用のうち主なものを、次の3つに分けています。

費用内容かかる時
保険契約関係費 契約時の初期費用や、保険期間中、年金受取期間中の費用等。契約の締結・維持・管理に必要な経費 契約時と、保険期間中・年金受取期間中
資産運用関係費 投資信託の信託報酬や、信託事務の諸費用等。特別勘定の運用により発生する費用 運用中
解約控除 契約日から一定期間内の解約の場合に、積立金から控除される金額 解約時のみ

※生命保険文化センター「市場リスクを有する生命保険とは?」で、2026年10月3日に確認しました。当サイトは費用の額や割合を示しません。

額や料率は商品によって異なり、生命保険文化センターは、商品ごとのパンフレット、「契約締結前交付書面(【契約概要】および【注意喚起情報】からなります)」、「ご契約のしおり」で確認するよう案内しています。保険業法施行規則第234条の23は、契約締結前交付書面に、手数料等の種類ごとの金額もしくはその上限額、またはその計算方法と、その合計額もしくは上限額、またはその計算方法を示すことを定めています。情報の提供ができない場合は、その旨とその理由を示すこととされています。

契約前の説明と販売のルール

変額保険は特別勘定で運用します。特別勘定を設けなければならない保険契約(保険業法第118条、保険業法施行規則第74条)は、施行規則第234条の2第1号で「特定保険契約」とされ、保険業法第300条の2により、金融商品取引法の契約締結前の書面などの規定が準用されます。契約前に何が示されるかを、原典で確かめます。

ルール内容根拠
契約前の書面 手数料等、損失が生ずるおそれとその理由、運用の基本方針、租税の概要、解約及び解約による返戻金に関する事項などを、契約締結前交付書面で示す 金融商品取引法第37条の3(準用)、保険業法施行規則第234条の23・第234条の24
適合性の原則 顧客の知識、経験、財産の状況、契約の目的に照らして不適当と認められる勧誘を行わない 金融商品取引法第40条第1号(準用)
説明を受けた旨の確認 金融庁の監督指針は、変額保険などリスクを負う商品の販売で、十分な説明をし、説明を受けた旨を契約者から確認する方策を会社に求めている 金融庁 保険会社向けの総合的な監督指針 II-4-4-2-1
意向の確認 変額保険など投資性商品では、投資する資金の用意があるか、市場リスクを許容しているか、最低保証を求めるかなどの意向を把握する 金融庁 同指針 II-4-2-2
募集する人の登録 会社は、変額保険の募集を行わせる者を生命保険協会に登録する 生命保険協会「変額保険販売資格者登録制度」

※生命保険文化センターは、契約後も、生命保険会社が運用実績などについて1年ごとに書面を交付することになっている、と案内しています。条文は2026年10月3日現在の e-Gov、監督指針は金融庁(令和8年10月)の公表で確認しました。

わからない点は、契約の前に保険会社や募集人に説明を求められます。自分の契約でどう扱われるかは、契約締結前交付書面と設計書で確かめてください。

受け取ったときの税金

課税の分かれ目は、国税庁の表では保険料の負担者と保険金の受取人が同じ人か、別の人かです。変額保険は満期保険金や解約返戻金が運用実績で変わるため、払い込んだ保険料の総額を上回ったかどうかで、一時所得が生じるかが決まります。

保険料の負担者と受取人かかる税金根拠
満期保険金・解約返戻金を、保険料を払った本人が一時金で受け取る 所得税(一時所得) 国税庁No.1755、所得税法第34条
満期保険金を、保険料を払った本人が年金で受け取る 所得税(公的年金等以外の雑所得) 国税庁No.1755
満期保険金・解約返戻金の受取人が、保険料を払った人とは別の人 贈与税 国税庁No.1755、相続税法第5条
死亡保険金:被保険者と保険料の負担者が同じで、受取人が相続人 相続税(500万円×法定相続人の数まで非課税) 国税庁No.4114

※国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)で、2026年10月3日に確認しました。死亡保険金の他の組み合わせや、年金で受け取る場合の贈与税・相続税などの細かい扱いは、国税庁の各ページと税務署で確かめてください。

一時所得の金額の計算(受け取った額 − 払込保険料の総額 − 特別控除50万円、課税はその2分の1)と、会社員が確定申告に必要かどうかの目安は、満期保険金の計算が同じなので養老保険のメリット・デメリットにまとめています。

保険料控除の区分

国税庁No.1141によると、生命保険料控除の対象になるのは、生存または死亡に基因して一定額の保険金が支払われる保険契約などで、保険金等の受取人のすべてを保険料を払い込む方またはその配偶者その他の親族とするものです。保険期間が5年未満の貯蓄保険などは対象になりません。変額保険がどの区分に入るかは、保険会社から届く控除証明書で確かめます(国税庁No.1141)。なお、変額個人年金保険は、一般の生命保険料控除の対象で、個人年金保険料控除の対象にはなりません(生命保険文化センター)。

契約を結んだ日で、新生命保険料と旧生命保険料の扱いが変わります。

契約を結んだ日・条件区分所得税の控除(最高)
平成23年12月31日以前 旧生命保険料 年間10万円超で一律5万円
平成24年1月1日以後 新生命保険料 年間8万円超で一律4万円
平成24年1月1日以後で、令和8・9年分に23歳未満の扶養親族がいる 新生命保険料 年間12万円超で一律6万円

※国税庁タックスアンサー No.1140「生命保険料控除」・No.1141で、2026年10月3日に確認しました。生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除を合わせた控除額の上限は12万円です。

控除でいくら戻るかは生命保険料控除でいくら戻るの計算機で確かめられます。

投資信託・NISA・iDeCoとの制度の違い

変額保険は、運用実績で受け取る額が変わる点で投資信託などと似て見えますが、制度が違います。原典に書かれていることを並べます。どれがよいかは、目的や資金の使い道で変わるため、優劣は示しません。

種類制度の特徴(原典の説明)根拠
変額保険 生命保険。特別勘定で運用し、死亡保険金は基本保険金額が最低保証。満期保険金と解約返戻金は最低保証なし。保険料は生命保険料控除の対象となる契約がある 生命保険文化センター、国税庁No.1141
投資信託(NISA口座を使わない) 売却して得た譲渡益は20%(所得税15%、住民税5%)。復興特別所得税は所得税と併せて申告・納付する 国税庁No.1463
NISA NISA口座で投資した金融商品の運用益(売却益・配当/分配金)が非課税。年間の投資枠は最大360万円、生涯の非課税保有限度額は1,800万円 金融庁 NISA特設ウェブサイト
iDeCo 掛金、運用益、給付を受け取るときに税制上の優遇措置がある。原則60歳になるまで資産を引き出せない。課税所得がない方は掛金の所得控除を受けられない iDeCo公式サイト

※国税庁タックスアンサー No.1463、金融庁 NISA特設ウェブサイト、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)で、2026年10月3日に確認しました。NISA・iDeCoの詳しい条件は、各公式サイトで確かめてください。

iDeCoとNISAそのものの比べ方はiDeCoとNISAはどちらを優先すべき?に、老後の年金を保険で用意するかを数える方法は個人年金保険は必要か 計算機に、今の保険を見直す順番は生命保険の見直しはいつ・何から?にあります。

最低保証の有無で受け取りがどう変わるかの試算

次は、有期型の変額保険で、運用実績によって満期保険金がどう変わるかを、当サイトで試算した1例です。金額は説明のための仮定で、運用実績の予想や平均・相場ではありません。

  • 有期型で基本保険金は500万円、払い込んだ保険料の総額は420万円、配当金はない(無配当)
  • ケースAは運用実績が良く、基本保険金に変動保険金120万円が上乗せされる。ケースBは運用実績が悪く、満期保険金が基本保険金を下回る
  • 保険料の負担者・被保険者・受取人が同じ本人で、満期保険金を一時金で受け取る。ほかに一時所得はない
項目ケースA(運用実績が良い)ケースB(運用実績が悪い)
満期保険金620万円300万円
払込保険料総額(420万円)との差+200万円−120万円
一時所得の金額(差 − 特別控除50万円)150万円生じない
満期前に死亡した場合の死亡保険金の最低額500万円(基本保険金額)500万円(基本保険金額)

※当サイトの試算です。ケースAの一時所得は、国税庁No.1755の式(受け取った額 − 払込保険料の総額 − 50万円)で出しました。課税の対象になるのはその2分の1です。

同じ契約でも、死亡保険金の最低額は変わらず、満期保険金や解約返戻金は運用実績で変わります。この試算に入っていないものがあります。費用の額は示していません。自分の契約の基本保険金額と払い込んだ保険料の総額は、保険証券や設計書で確かめてください。

よくある質問

Q. 変額保険のデメリットは、何と言われていますか?

A. 生命保険文化センターは、変額保険を「株式や債券を中心に資産運用をし、運用実績によって保険金や解約返戻金が変動する保険」と説明しています。死亡保険金・高度障害保険金は基本保険金額が最低保証されますが、満期保険金(有期型)と解約返戻金には最低保証がなく、解約返戻金は払込保険料総額を下回ることがあります。株価や債券価格の下落、為替の変動により損失が生ずるおそれがある、とも説明されています。

Q. 変額保険の手数料はいくらかかりますか?

A. 額は商品ごとに異なり、この記事では示しません。生命保険文化センターは、主な費用として、契約の締結・維持・管理に必要な保険契約関係費、特別勘定の運用で発生する資産運用関係費、契約日から一定期間内の解約で積立金から控除される解約控除を挙げています。保険業法施行規則第234条の23は、手数料等の種類ごとの金額もしくは上限額、またはその計算方法を、契約締結前交付書面で示すよう定めています。

Q. 変額保険を途中で解約すると、払った保険料は戻りますか?

A. 生命保険文化センターは、有期型・終身型とも解約返戻金に最低保証はなく、払込保険料総額を下回ることがあると説明しています。契約日から一定期間内の解約では、積立金から解約控除が差し引かれる場合もあります。自分の契約でいくらになるかは、保険会社に確かめてください。

Q. 変額保険の満期保険金や解約返戻金には、税金がかかりますか?

A. 国税庁のタックスアンサーでは、保険料を負担した人が満期保険金や解約返戻金を一時金で受け取ると一時所得になります。受け取った額から払い込んだ保険料の総額と特別控除50万円を差し引いた金額が一時所得の金額で、課税の対象になるのはその2分の1です。変額保険は満期保険金や解約返戻金が運用実績で変わるため、払込保険料総額を下回れば一時所得は生じません。保険料の負担者と受取人が違う場合は、贈与税の対象になります。

Q. 変額保険は、投資信託やNISAと何が違いますか?

A. 変額保険は生命保険で、死亡保険金には基本保険金額の最低保証があり、受け取りは一時所得などの保険の税の扱いになります。投資信託を売却して得た譲渡益は、国税庁No.1463では20%(所得税15%、住民税5%)で、NISA口座で投資した場合は運用益(売却益・配当/分配金)が非課税です(金融庁)。どれが合うかは、目的や資金の使い道で変わるため、この記事では優劣を示しません。

参考・出典

※2026年10月3日現在に生命保険文化センター・生命保険協会・金融庁・国税庁・e-Govで確認した内容で、制度や法令は変わることがあります。保険金や解約返戻金の額、費用の額は、保険会社と契約ごとに異なります。特定の保険商品・保険会社・投資商品を推奨するものではなく、契約や継続・解約の判断は契約締結前交付書面・保険証券と保険会社の説明、税の判断は税務署の案内で行ってください。

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