月給30万円なら有給1日は?買取ができる3つのケースと計算機
月給30万円・所定労働日数21日の人が有給休暇1日分の賃金を「通常の賃金」方式で計算すると、約14,286円になります(労働基準法第39条9項)。有給休暇の買取は原則として認められていませんが、①法定日数を超える分 ②時効で消える分 ③退職時に残っている分は例外として扱われることがあります。このページでは月給・日給・時給から3方式(通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額)の金額を計算し、買取が認められる場合の根拠を解説します。
月給別 有給1日の金額 早見表
所定労働日数を21日とし、「通常の賃金」方式で1日あたりの額を計算したときの、残日数10日・20日分の合計額です。
| 月給 | 残10日分 | 残20日分 |
|---|---|---|
| 20万円 | 95,238円 | 190,476円 |
| 25万円 | 119,048円 | 238,095円 |
| 30万円 | 142,857円 | 285,714円 |
| 40万円 | 190,476円 | 380,952円 |
※所定労働日数21日・「通常の賃金」方式(月給÷所定労働日数)で計算した概算です。会社が平均賃金や標準報酬日額を採用している場合は金額が変わります。1円未満は四捨五入。
有給買取額 計算機
月給・日給・時給のいずれかと、所定労働日数、買取の対象にする残日数を入力すると、3方式それぞれの1日あたりの額と、残日数分の合計額を計算します。
入力
1日あたりの額
- 通常の賃金
- —
- 平均賃金
- —
- 標準報酬日額(概算)
- —
残日数分の合計額
- 通常の賃金
- —
- 平均賃金
- —
- 標準報酬日額(概算)
- —
※標準報酬日額は、実際には健康保険の等級表に基づく標準報酬月額を使いますが、このツールでは月換算した賃金額をそのまま標準報酬月額とみなした概算です(健康保険法第40条1項)。どの方式を使うかは会社の就業規則で決まります(労働基準法第39条9項)。
有給休暇の買取が認められる場合
労働基準法は使用者に「有給休暇を与えなければならない」と義務づけているため、金銭を支給しても休暇を与えたことにはならず、買上げを予約して請求できる年次有給休暇の日数を減らしたり、請求された日数を与えないことは原則としてできません(労働基準法第39条)。ただし、次のようなケースでは例外的に買取が認められると解されています。
- ①法定日数を超える分:会社が労働基準法の定める日数より多く有給休暇を付与している場合、その超過分については買取が禁止されていません。労働局のよくある質問でも「法を上回る日数の年次有給休暇についてはこの限りではない」と明示されています。
- ②時効で消える分:年次有給休暇の権利は発生日から2年で時効消滅します(労働基準法第115条)。時効で消滅した分は、法が禁じる「請求できる日数を減らす買上げの予約」には当たらないため、事後的に金銭で精算すること自体は問題にならないと一般に解されています。
- ③退職時に残っている分:退職日をもって年次有給休暇の権利そのものが消滅します。退職により休暇を取得する機会が失われる残日数についても、②と同様の理由で買取を行う企業があります。
②・③のケースを明示的に扱った厚生労働省の公式な通達・Q&Aの原文は、本ページ執筆時点(2026年10月1日)では確認できていません。上記は一般的な解釈であり、実際に買取を行うかどうかは会社の就業規則や労使間の取り決めによります。
勤続年数別 有給休暇の付与日数
雇い入れの日から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には10労働日の年次有給休暇が与えられます。以後、勤続年数に応じて次の表のとおり日数が加算されます(労働基準法第39条2項)。
| 勤続年数 | 付与日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
※週の所定労働時間が短いパートタイム労働者などには、所定労働日数に応じた比例付与のルールがあります(労働基準法第39条3項)。
平均賃金の計算方法(労働基準法第12条)
平均賃金は「算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日)で除した金額」です(労働基準法第12条1項)。
ただし、日給・時給・出来高払制で働く人については、「賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の60%」を下回ってはいけないという最低保障があります(同項1号)。暦日には休日も含まれるため、労働日数だけで割った金額の方が高くなりやすく、それを下回らないようにする趣旨です。月給制の人にはこの最低保障は適用されません。
よくある質問
有給休暇の買取は違法ですか?
労働基準法は「有給休暇を与えなければならない」と定めているため、原則として金銭を支払っても休暇を与えたことにはならず、買上げの予約をして請求できる日数を減らしたり、請求された日数を与えないことはできません(労働基準法第39条。労働局よくある質問より)。ただし「法を上回る日数の年次有給休暇」については、この限りではないとされています。
時効で消える分や、退職時に残っている分の買取はどうですか?
年次有給休暇の権利は、発生日から2年で時効により消滅します(労働基準法第115条)。また退職日をもって年次有給休暇の権利そのものが消滅します。時効で消滅した分や、退職により行使する機会が失われた残日数は、法が禁じる「請求できる日数を減らす買上げの予約」とは性質が異なるため、これらを事後的に金銭で精算すること自体は問題にならないと一般に解されています。ただし、この2つのケースを明示的に扱った厚生労働省の公式な通達・Q&Aの原文は本ページ執筆時点で確認できていません。買取を検討する場合は、就業規則の規定や労働基準監督署への確認をおすすめします。
平均賃金の「最低保障」とは何ですか?
日給・時給・出来高払制で働く人の平均賃金は、「直前3か月の賃金総額 ÷ その期間の総日数(暦日)」で計算した額が、「賃金総額 ÷ その期間中に労働した日数 × 60%」を下回ってはいけないというルールです(労働基準法第12条1項1号)。暦日には休日も含まれるため、労働日数だけで割った金額の方が高くなりやすく、それを下回らないようにする最低保障です。月給制の人にはこの最低保障は適用されません。
どの方式で計算するかは誰が決めますか?
どの方式(通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額)を使うかは、就業規則その他これに準ずるもので会社があらかじめ定めます(労働基準法第39条9項)。標準報酬日額を使うには労使協定が必要です。同じ会社でも方式によって1日あたりの金額が変わるため、まずは自社の就業規則でどの方式を採用しているか確認してください。
参考・出典
- e-Gov法令検索 労働基準法(第12条・第39条)
- 鹿児島労働局 よくあるご質問「年次有給休暇の買上げをしても法律違反にはなりませんか」
- 厚生労働省 確かめよう労働条件「年次有給休暇」(年休権の消滅)
- 厚生労働省 労働基準に関するQ&A(年次有給休暇の付与日数)
(2026年10月1日確認)※本ページの計算結果は概算です。標準報酬日額は健康保険の等級表による丸めを行っていません。実際の買取の可否・金額は就業規則や労使協定によって異なります。正確な取扱いは勤務先の人事部門、または労働基準監督署にご確認ください。