定額減税は2026年もある?令和6年だけの措置と、令和8年分の基礎控除引上げ
国税庁・内閣官房・総務省の原文では、定額減税は令和6年(2024年)分の所得税、令和6年度分の個人住民税の措置として書かれています。令和8年(2026年)分に同じ定額減税を実施するという記載は、取得した原文には見つかりませんでした。このページでは、原文に書かれている範囲で、定額減税の対象と金額、住民税の扱い、調整給付金(不足額給付)を整理し、令和8年分から変わる基礎控除の引上げを案内します。
定額減税は2026年に続いているのか
定額減税は、令和6年度税制改正で決まった「令和6年分の所得税から3万円、令和6年度分の個人住民税から1万円」を、本人と同一生計配偶者・扶養親族の人数分だけ差し引く措置です。対象は合計所得金額が1,805万円以下の人(給与収入のみなら2,000万円以下)で、減税額は、その人の所得税額・住民税額が限度です。
| 区分 | 所得税(令和6年分) | 個人住民税所得割(令和6年度分) |
|---|---|---|
| 本人 | 3万円 | 1万円 |
| 同一生計配偶者・扶養親族(居住者) | 1人につき3万円 | 1人につき1万円 |
※出典:国税庁「定額減税と確定申告」、内閣官房「定額減税・各種給付の詳細」。内閣官房の例では、同一生計配偶者1人と扶養親族1人の3人世帯で、所得税9万円+住民税3万円の合計12万円の減税です。
「2026年も続くのか」を、原文で確かめた結果は次のとおりです。
| 原文 | 書かれている対象 | 令和7年分・令和8年分の記載 |
|---|---|---|
| 国税庁 定額減税 特設サイト | 令和6年分所得税 | 見つからなかった |
| 内閣官房 給付金・定額減税一体措置 | 2024年分の所得税・2024年度分の個人住民税 | 見つからなかった |
| 総務省 個人住民税における定額減税 | 令和6年度分(一部、令和7年度分) | 令和8年度分の記載は見つからなかった |
| 国税庁 令和7年分・令和8年分 年末調整のしかた(各64ページ) | ― | 「定額減税」の語は両年とも出てこない |
※2026年10月2日に取得。原文に「実施しない」と書かれているわけではなく、実施を示す記載が見つからなかったという意味です。今後の経済対策などで新しい減税や給付が決まった場合は、国税庁・内閣官房・総務省の最新の案内を確認してください。
令和8年分の年末調整のしかた(国税庁)で「昨年と比べて変わった点」とされているのは、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正などです。2026年に手取りへ影響するのは、定額減税ではなくこちらです(後半で整理します)。
令和6年分の所得税:年末調整と確定申告での扱い
国税庁によると、給与所得者の定額減税は、令和6年6月1日以後最初に支払われる給与等(賞与を含む)の源泉徴収税額から差し引かれました。差し引ききれなかった分は、令和6年中の以後の給与等から順次差し引かれています。
- 年末調整:給与の支払者が行う令和6年分の年末調整で、定額減税を踏まえた所得税額が計算されます。年末調整が終わっていれば、原則として確定申告は不要です。
- 確定申告で精算する場合:主たる給与の収入が2,000万円を超える人、年の途中で退職して定額減税が差し引かれていない人、給与以外の所得がある人・2か所以上から給与を受けている人(年末調整で差し引ききれない場合)などは、令和6年分の確定申告で最終的な額を精算します。
- 事業所得者など:令和6年分の確定申告で所得税額から差し引きます。予定納税の対象だった人は、第1期分の予定納税額から本人分が差し引かれています。
これらは令和6年分の話で、令和7年分・令和8年分の年末調整に引き継がれる、という記載は原文にありません。令和8年分の年末調整の書き方は年末調整の書き方にまとめています。
個人住民税の定額減税の扱い
内閣官房の案内によると、個人住民税の定額減税は次のように行われました。
- 会社員(特別徴収):令和6年6月分は徴収されず、定額減税後の税額が令和6年7月分から令和7年5月分までの11か月で均して徴収されます。
- 事業所得者など(普通徴収):定額減税前の税額で算出された第1期分(令和6年6月分)の税額から差し引かれ、差し引ききれない場合は第2期分(令和6年8月分)以降から順次差し引かれます。
- 年金所得者:令和6年10月分の特別徴収税額から差し引かれ、差し引ききれない場合は令和6年12月分以降から順次差し引かれます。
- 控除対象配偶者以外の同一生計配偶者:この人に係る個人住民税の定額減税は、令和7年度分の個人住民税で行われます。
住民税の基礎控除や税額の計算は住民税 計算ツールで試算できます。
調整給付金(不足額給付)とは
定額減税の額が、その人の所得税額・住民税額より大きいと、減税しきれない分が出ます。内閣官房によると、その差額を個人住民税を課税する市区町村が給付するのが調整給付です。令和6年夏以降の「当初給付」は令和5年の所得をもとにおおよその額を算定し、令和6年分の所得税額と定額減税の実績が確定したあとの令和7年(2025年)以降に、足りなかった分が「不足額給付」として追加で給付されました。
| 区分 | 対象 | 給付額 |
|---|---|---|
| 当初給付の不足分 | 令和5年所得による推計と実績に差が出て、当初給付に不足が生じた人(例:令和6年の所得が減った・こどもが生まれて扶養親族が増えた) | 不足額給付時の調整給付所要額(1万円単位で切上げ)−当初調整給付額 |
| 定額減税の対象外の人 | 青色事業専従者・白色事業専従者・合計所得金額48万円超の人で、低所得世帯向け給付の対象にもならなかった人 | 1人あたり原則4万円 |
※出典:内閣官房「調整給付金(不足額給付)のご案内」チラシ、不足額給付の算定方法の資料。当初給付より調整給付所要額が小さくなった場合も、余剰額の返還は求められません。対象は納税義務者本人の合計所得金額が1,805万円以下の場合です。
手続きは、対象者に市区町村から確認書が送られ、記入して返送するのが基本です。ただし青色事業専従者・白色事業専従者・合計所得金額48万円超の人・転出入者は、支給要件の確認が必要なため、基本的に本人からの申請とされています。必要な手続きや書類は市区町村ごとに異なります。
申請期限について
内閣官房の特設ページの冒頭には「給付金の申請受付は終了しました。」とあります。不足額給付の期限は「各市区町村が定める申請期限」とされ、全国共通の期限は原文に書かれていませんでした。受け取れるかどうかは、お住まいの市区町村に確認してください。
2026年に変わるのは基礎控除の引上げ
国税庁によると、令和8年度税制改正で所得税の基礎控除が引き上げられました。改正は原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。令和8年11月までの給与の源泉徴収事務は変わらず、令和8年12月の年末調整で、引上げ後の基礎控除をもとに1年間の税額を計算して、すでに引かれた源泉徴収税額との差を精算します。
| 合計所得金額 | 令和7年分 | 令和8年分 |
|---|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 | 104万円 |
| 132万円超 336万円以下 | 88万円 | 104万円 |
| 336万円超 489万円以下 | 68万円 | 104万円 |
| 489万円超 655万円以下 | 63万円 | 67万円 |
| 655万円超 2,350万円以下 | 58万円 | 62万円 |
※所得税の基礎控除(国税庁 No.1199 の令和7年分・令和8年分の列)。住民税の基礎控除は現行の条文で43万円のままです。
たとえば合計所得100万円の人は、基礎控除が95万円から104万円へ9万円増えます。所得税の税率が5%の人なら、課税される所得が9万円減るため、所得税は4,500円少なくなる計算です(復興特別所得税は除く)。実際の減り方は所得や税率で変わります。自分の合計所得金額の場合は基礎控除の早見表と計算機で確認できます。
給与所得控除の最低保障額も、65万円から74万円に引き上げられました(国税庁)。年末調整では、基礎控除申告書の書き方や、扶養親族等の所得要件の改正も確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 定額減税は2026年もありますか?
A. 国税庁・内閣官房・総務省の原文では、定額減税は令和6年分の所得税(令和6年度分の個人住民税)の措置として書かれています。令和8年(2026年)分に同じ定額減税を実施するという記載は、2026年10月2日時点で取得した原文には見つかりませんでした。令和8年分の年末調整のしかた(国税庁)にも「定額減税」の語は出てきません。
Q. 令和8年分の年末調整で、定額減税の手続きは必要ですか?
A. 国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」(64ページ)には「定額減税」の語が出てきません。令和8年分の変更点として挙げられているのは、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正などです。定額減税に関する事務を年末調整で行う必要があったのは、国税庁の特設サイトによると令和6年分です。
Q. 住民税の定額減税は、いつまでですか?
A. 総務省は「令和6年度分(一部、令和7年度分)の個人住民税で実施される」と案内しています。給与から引かれる特別徴収の場合、令和6年6月分は徴収されず、定額減税後の税額が令和6年7月分から令和7年5月分までの11か月で均して徴収されます(内閣官房)。控除対象配偶者以外の同一生計配偶者の分だけは、令和7年度分の住民税で行われます。
Q. 調整給付金(不足額給付)は、いまも申請できますか?
A. 内閣官房の特設ページの冒頭には「給付金の申請受付は終了しました。」とあります。ただし、不足額給付の申請期限は「各市区町村が定める申請期限」とされており、全国共通の期限は原文に書かれていませんでした。受け取れるかどうか、期限が過ぎているかどうかは、お住まいの市区町村で確認してください。
Q. 不足額給付の対象になるのはどんな人ですか?
A. 内閣官房の案内によると、令和5年の所得をもとに算定された当初調整給付では、令和6年分の実績との間に不足が出た人です。たとえば令和5年より令和6年の所得が減った人、令和6年中にこどもが生まれるなどして扶養親族が増えた人、当初給付の後に住民税の税額修正があった人が挙げられています。このほか、定額減税の対象外で低所得世帯向け給付の対象にもならなかった青色事業専従者・白色事業専従者・合計所得金額48万円超の人には、1人あたり原則4万円が給付されました。
Q. 定額減税がないなら、2026年に使える減税はありますか?
A. 国税庁によると、令和8年分の所得税から基礎控除が引き上げられます。改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年11月までの給与の源泉徴収は変わらず、令和8年12月の年末調整で引上げ後の基礎控除をもとに1年間の税額を計算し直して精算します。合計所得100万円の人では、基礎控除が令和7年分の95万円から令和8年分の104万円になります。
参考・出典
- 国税庁 - 定額減税 特設サイト(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - 定額減税について(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - 定額減税と確定申告(2026年10月2日確認)
- 内閣官房 - 新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置(2026年10月2日確認)
- 内閣官房 - 定額減税・各種給付の詳細(2026年10月2日確認)
- 内閣官房 - よくあるご質問(2026年10月2日確認)
- 内閣官房 - 調整給付金(不足額給付)のご案内(チラシ)(PDF・2026年10月2日確認)
- 総務省 - 個人住民税における定額減税について(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - 令和8年分 年末調整のしかた(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - 令和7年分 年末調整のしかた(2026年10月2日確認)
※制度は改正されることがあります。実際の減税額や給付の可否は、国税庁・内閣官房・総務省の最新の案内と、お住まいの市区町村で確認してください。