年末調整の還付はいつ振り込まれる?12月か1月の給与で精算される仕組み
年末調整で納めすぎた所得税が戻る(還付される)タイミングは、所得税法190条により「その年最後に給与の支払をする時」と定められています。多くの会社では12月分の給与または12月の賞与に上乗せされますが、還付額が大きいと翌年1月・2月の給与に繰り越されることもあります。本記事では還付の原則の時期、公務員の場合、還付が遅れる・戻らないケースを解説します。
年末調整の還付はいつ精算される?
所得税法190条は、年末調整を「給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする場合」に行うと定めています。国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」も「年末調整は、本年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので、通常は12月に行います」としています。1年間に源泉徴収された所得税の合計額が年末調整で計算した年税額より多ければ超過額(過納額)が生じ、その差額はその年最後に給与等の支払をする際に徴収すべき所得税に充当されます。つまり還付は、12月に支払われる最後の給与(賞与を含む)に上乗せされる形で受け取るのが原則です。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 11月頃 | 扶養控除等申告書・保険料控除申告書などを勤務先へ提出 |
| 12月 | 本年最後の給与(または賞与)で年末調整を実施・精算 |
| 翌年1月31日まで | 源泉徴収票の交付、扶養異動などによる再調整の期限 |
12月の給与だけで還付しきれないときは
過納額が、年末調整を行った月分(通常は12月分)として会社が国に納付する源泉徴収税額を上回る場合、その月の納付額だけでは還付しきれません。国税庁の資料では、この場合「その後に納付する給与、退職手当及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われる報酬・料金に対する源泉徴収税額から差し引き順次還付する」とされており、会社の規模や納付税額によっては、還付が翌年1月・2月分の納付にまたがって精算されることがあります。さらに、還付することとなった日の翌月から2か月を経過しても還付しきれないと見込まれる場合は、会社を通さず税務署から直接還付される手続きに切り替わることもあります。
公務員の年末調整も同じ時期に行われる?
国家公務員・地方公務員も、給与を支払う省庁・自治体・共済組合などが源泉徴収義務者として同じ所得税法190条の規定に従うため、年末調整の精算時期の原則自体は民間企業の会社員と変わりません。実際にどの給与で還付を受け取るかは、勤務先の給与計算・共済組合システムの締め日次第で変わるため、12月分の給与になるか1月支給分の給与になるかは、勤務先の給与担当や共済組合に確認するのが確実です。
還付が遅れる・戻らないのはどんなケース?
- 過納額が多く、12月の給与だけでは還付しきれない場合は、前述のとおり翌年1月・2月の納付にまたがって繰り越される
- 扶養控除等申告書に記載した扶養親族・配偶者の所得見積りが実際より少なく、年末調整の対象から外れた場合は、逆に不足額(追徴)が生じ、還付そのものが発生しない
- 年の途中で退職し、年末までに再就職しなかった場合は年末調整の対象外となるため、勤務先からの還付はなく、確定申告をしないと還付を受けられない
※扶養の見込み違いなど追徴になる理由の詳細は年末調整で追徴になる理由で解説しています。
いくら戻るかを確認する
実際にいくら戻るかは、年収・家族構成・申告した控除の内容で変わります。以下の計算ツールで年収別の目安を確認できます。
参考・出典
- e-Gov法令検索 - 所得税法(第190条)(2026年10月確認)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」5ページ「年末調整を行う時」、39ページ「過納額の還付」(2026年10月確認)
- 国税庁
※本ページの記載は一般的なケースを簡略化したものです。実際の還付時期は勤務先の給与計算スケジュールによって異なります。詳しくは勤務先の年末調整担当部署にご確認ください。