給与所得の源泉徴収税額表(日額表)【令和8年分】の見方と甲欄・乙欄・丙欄の違い
日払い・週払いの給与から引かれる所得税は、「その日の社会保険料等を引いた後の給与」で日額表を引いて決まります。たとえば日給12,000円で控除する社会保険料等がないなら、甲欄の扶養親族等0人は420円、乙欄は2,440円、丙欄は79円です。この記事は、会社に勤めていて日払い・週払いで給与を受ける方向けに、令和8年分の日額表の使いどころと、甲欄・乙欄・丙欄の違いをまとめました。
日額表を使う給与と、月額表との分かれ目
どの税額表を使うかは、給与の支払い方で決まります。国税庁の説明(No.2511)は次のとおりです。
| 給与の支払い方 | 使う表 |
|---|---|
| 毎日支払うもの | 日額表(甲・乙) |
| 週ごとに支払うもの | 日額表(甲・乙) |
| 日割で支払うもの | 日額表(甲・乙) |
| 日雇賃金 | 日額表(丙) |
| 月ごと・半月ごと・10日ごと | 月額表 |
出典:国税庁「No.2511 税額表の種類と使い方」、「給与所得の源泉徴収税額の求め方」(令和8年分)。日額表の「週ごとに支払うもの」には、日雇賃金は含まれません。月の整数倍の期間ごとに支払うものも月額表です。
半月ごとや10日(旬)ごとの給与は、日数が短くても月額表です。月額表の引き方は、源泉徴収税額表(月額表)の見方にまとめています。
日額表でも、税額表に当てはめる金額は額面ではなく、その日(その日分)の給与等の金額から社会保険料等を引いた後の金額です。
甲欄・乙欄・丙欄の違い
日額表にも、甲欄・乙欄・丙欄の3つがあります。
- 甲欄:「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与。扶養親族等の数(0〜7人)に応じて税額が決まる
- 乙欄:扶養控除等申告書を提出していない人に支払う給与。扶養親族等の数では分かれない
- 丙欄:日雇賃金。扶養控除等申告書の有無や扶養親族等の数では分かれない
丙欄を使う「日雇賃金」とは
日雇賃金とは、日々雇い入れられる人の、労働した日または時間によって算定され、労働した日ごとに支払を受ける給与等です(その労働した日以外の日に支払われるものも含みます)。パートやアルバイトに日給や時間給で支払う場合は、あらかじめ雇用契約の期間が2か月以内と決められていれば、丙欄を使うと国税庁が案内しています。
継続して2か月を超えたとき
1か所の勤務先から継続して2か月を超えて給与等が支払われた場合、その2か月を超える部分の期間について支払われるものは、日雇賃金には含まれません。その部分は丙欄ではなく、甲欄または乙欄(日額表か月額表)で求めます(国税庁「給与所得の源泉徴収税額の求め方」)。
どの欄に当たるかは、雇用契約の内容や扶養控除等申告書の提出状況で変わります。ご自身の給与がどれに当たるかは、勤務先の給与担当にご確認ください。
令和8年分の日額表(日額5,000〜20,000円の抜粋)
単位は円で、「9,800〜9,900未満」は9,800円以上9,900円未満を表します。日額表は100円刻みの行で、5,000・7,000・9,000・9,700・9,800・10,000・12,000・15,000・18,000・20,000円を含む行を抜き出しました。まず甲欄(扶養親族等0人・1人)です。
| 社会保険料等控除後の給与(日額) | 甲欄 扶養0人 | 甲欄 扶養1人 |
|---|---|---|
| 5,000〜5,100未満 | 80 | 30 |
| 7,000〜7,100未満 | 160 | 100 |
| 9,000〜9,100未満 | 230 | 175 |
| 9,700〜9,800未満 | 255 | 200 |
| 9,800〜9,900未満 | 260 | 205 |
| 10,000〜10,100未満 | 265 | 210 |
| 12,000〜12,100未満 | 420 | 310 |
| 15,000〜15,100未満 | 670 | 555 |
| 18,000〜18,100未満 | 1,160 | 940 |
| 20,000〜20,100未満 | 1,515 | 1,300 |
同じ行の乙欄と丙欄です。丙欄は、9,800円未満の行で0円、9,800円以上の行から税額が出ます。
| 社会保険料等控除後の給与(日額) | 乙欄 | 丙欄 |
|---|---|---|
| 5,000〜5,100未満 | 290 | 0 |
| 7,000〜7,100未満 | 780 | 0 |
| 9,000〜9,100未満 | 1,430 | 0 |
| 9,700〜9,800未満 | 1,680 | 0 |
| 9,800〜9,900未満 | 1,730 | 1 |
| 10,000〜10,100未満 | 1,800 | 8 |
| 12,000〜12,100未満 | 2,440 | 79 |
| 15,000〜15,100未満 | 3,940 | 193 |
| 18,000〜18,100未満 | 5,550 | 316 |
| 20,000〜20,100未満 | 6,530 | 419 |
出典:国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」給与所得の源泉徴収税額表(日額表)(2026年10月2日確認)。表は100円刻みの行の一部です。乙欄は、日額が3,500円未満のとき「その金額の3.063%に相当する金額」です。全範囲と、甲欄の扶養親族等2〜7人の列は、国税庁のPDF(8〜14ページ)、表計算ソフトで使うときはExcel版でご確認ください。
計算例:日給から所得税を引く
日給と社会保険料等を仮定して、日額表を引いた例です。税額は、国税庁の令和8年分の日額表から、社会保険料等控除後の金額が含まれる行を引いた値です。
- 日給12,000円で、控除する社会保険料等がない場合:12,000円が含まれる「12,000〜12,100未満」の行を引くと、甲欄の扶養親族等0人は420円、乙欄は2,440円、丙欄は79円
- 日給15,000円で、その日分に控除する社会保険料等が1,200円の場合:15,000円−1,200円=13,800円が含まれる「13,800〜13,900未満」の行を引くと、甲欄の扶養親族等0人は565円、乙欄は3,260円、丙欄は144円
同じ金額でも、甲欄・乙欄・丙欄で税額は大きく違います。表のとおり、乙欄は甲欄の扶養親族等0人より大きい額になります。
日払い・週払いの給与が年間でどのくらいの手取りになるかは、手取り計算ツールが使えます。ここで引いた税額は、その日(その週)に源泉徴収される額で、年間の所得税は年末調整または確定申告で確定します。
扶養親族等の数と、7人を超えるとき
甲欄の「扶養親族等の数」は、源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族の合計です。本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に当てはまるときは、当てはまるごとに1人を加えます。数え方は月額表と共通で、月額表の記事の「扶養親族等の数の数え方」、申告書の書き方は扶養控除等申告書の書き方にまとめています。
日額表で違うのは、扶養親族等が7人を超えるときの引く額です。7人の場合の税額から、超える1人ごとに50円を引きます(月額表は1,610円)。「従たる給与についての扶養控除等申告書」を出している人の乙欄も、その申告書に書いた扶養親族等1人ごとに50円を、乙欄で求めた税額から引きます。
日額の高い範囲には、表のかわりに「一定の金額を超える部分に率を掛けて加算する」式の行があります。全範囲は国税庁のPDFでご確認ください。賞与は日額表ではなく別の表を使います。賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の見方にまとめています。
よくある質問
Q. 日額表は、どんな給与のときに使いますか?
A. 毎日支払うもの、週ごとに支払うもの、日割で支払うものです。日雇賃金は丙欄を使います(No.2511)。月ごと、半月ごと、10日(旬)ごと、月の整数倍の期間ごとに支払う給与は、日額表ではなく月額表を使います。
Q. 半月ごとの給与や、10日ごとの給与は、日額表ですか?
A. 日額表ではありません。国税庁の説明では、半月ごと・10日(旬)ごとに支払う給与は月額表を使うとされています(No.2511)。
Q. 丙欄は、どんなときに使いますか?
A. 日雇賃金を支払うときです。日雇賃金とは、日々雇い入れられる人の、労働した日または時間によって算定され、労働した日ごとに支払を受ける給与等をいいます。ただし、1か所の勤務先から継続して2か月を超えて給与等が支払われた場合、その2か月を超える部分の期間について支払われるものは含まれず、その部分は甲欄または乙欄で求めます(No.2511、国税庁の「給与所得の源泉徴収税額の求め方」)。
Q. パートやアルバイトで日給や時間給のときは、丙欄ですか?
A. あらかじめ雇用契約の期間が2か月以内と決められていれば、日額表の丙欄を使うと、国税庁が案内しています(No.2511)。これに当てはまらない場合の取り扱いは、勤務先の給与担当または税務署にご確認ください。
Q. 日額表の丙欄は、日給がいくらから税額が出ますか?
A. 令和8年分の日額表では、社会保険料等控除後の給与等が9,800円未満の行は丙欄が0円で、9,800円以上9,900円未満の行から1円になります。以降、金額が高くなるほど増えます。
Q. 扶養親族等が7人を超えるときは、日額表ではいくら引きますか?
A. 日額表では、扶養親族等が7人を超える1人ごとに、7人の場合の税額から50円を引きます(月額表は1,610円)。「従たる給与についての扶養控除等申告書」を出している人の乙欄も、扶養親族等1人ごとに50円を引きます。
Q. この表は、令和7年分以前や令和9年分以後にも使えますか?
A. 使えません。国税庁は、令和7年分以前の給与等の税額にはこの税額表を使わないよう案内しています。また、No.2511は、令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税を源泉徴収するとしており、令和9年分以後の税額表は別になります。
参考・出典
- 国税庁 - 令和8年分 源泉徴収税額表(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - 給与所得の源泉徴収税額表(日額表)(令和8年分、8〜14ページ)(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - 給与所得の源泉徴収税額の求め方(令和8年分、19〜22ページ)(2026年10月2日確認)
- 国税庁 - No.2511 税額表の種類と使い方(2026年10月2日確認)
※税額や適用の判断は、個々の状況によって異なります。具体的な取り扱いは勤務先の給与担当、所轄の税務署または税理士等の専門家にご確認ください。