車を売ったら税金は戻る?確定申告は要る?自家用の売却益・自動車税の月割還付・事業用の車・相続した車

自家用の車を売って利益が出ても、所得税は課税されません。国税庁は「通勤用の自動車」を生活用動産の例に挙げ、その譲渡による所得を課税されない所得としています。一方、自動車税が月割で戻るのは売却ではなく廃車(抹消登録)のときで、軽自動車税は廃車でも月割の還付がありません。個人事業主の事業用の車、相続した車、重量税・自賠責・リサイクル料金の戻り方まで、国税庁・東京都・国土交通省などの原文で確かめました。

自家用の車を売って利益が出たら、税金はかかる?

かかりません。国税庁のタックスアンサー No.3105 は、所得税の課税されない譲渡所得の1つに「生活用動産の譲渡による所得」を挙げ、生活用動産を「家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産」と説明しています。通勤や買い物など、生活のために使っていた車を売って、買ったときより高く売れても、その差益は課税されない所得です。

売った車の使い道売却益の扱い出どころ
通勤・買い物など生活に使っていた自家用車生活用動産の譲渡。課税されないNo.3105
個人事業で使っていた車生活用動産とは分けて考える。譲渡所得の計算に沿う(次の章)No.3105・No.3152
売るために仕入れた車を、相当の期間にわたり続けて売る譲渡所得ではなく、事業所得または雑所得No.3105

出典:国税庁 タックスアンサー No.3105「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」(令和8年4月1日現在法令等)、2026年10月4日確認。

例外として、貴金属・宝石・書画・骨とうで、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は、生活用動産の非課税から除かれます。車がこれに当たるかは原文に書かれていません。趣味や収集のための車で売却額が大きいときなど、生活に必要な車かどうか迷う場合は、税務署に確認してください。

下取りに出す場合も、車を譲渡することに変わりはありません。通勤用の自家用車なら、売却益の確定申告は要りません。ほかの副収入の申告との関係は、フリマの売上と確定申告でも同じ非課税の考え方を説明しています。

課税される場合の計算は?会社員は確定申告が要る?

生活用動産に当たらない車を売ったときは、譲渡所得の計算になります。国税庁 No.3152 の式は次のとおりです。

総合課税の譲渡所得の金額

譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 50万円(特別控除)

  • 取得費は、一般に購入代金です。ただし、使ったり年数がたったりして価値が減る資産は、減価償却費相当額を引いた金額になります。
  • 譲渡費用は、売るために直接かかった費用です。
  • 特別控除は、その年の譲渡益の合計に対して最高50万円です。譲渡益が50万円以下なら、その金額までしか引けません。
  • 所有期間が5年以内なら全額、5年を超えるなら2分の1が、ほかの所得と合計する対象になります。

たとえば、売却額120万円・取得費(減価償却費相当額を引いたあと)40万円・譲渡費用0円・所有5年以内なら、譲渡益は80万円、特別控除50万円を引いて譲渡所得は30万円です(数字は仕組みを見るための例で、実際の車の取得費は購入時期や使い方で変わります)。

会社員の確定申告が必要になる目安は、国税庁 No.1900 にあります。給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収の対象なら、給与・退職以外の各種の所得金額の合計が20万円を超える人は申告が必要です。上の例の30万円は、ほかに所得がなくても20万円を超えます。生活用動産の車の売却益は、そもそも課税されない所得なので、この判定の対象になる場面はありません。

出典:国税庁 タックスアンサー No.3152「譲渡所得の計算のしかた(総合課税)」、No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(令和8年4月1日現在法令等)、2026年10月4日確認。申告が必要かの最終判断は、税務署または税理士にご確認ください。

個人事業主の事業用の車を売ったら、どう扱う?

事業で使っていた車は、「生活に通常必要な動産」という生活用動産の説明とは分けて考えることになります。ただし、国税庁の原文に事業用の車を名指しした記載は見つかりませんでした。確かめられたのは、売却益の計算の仕組みです。

  • 譲渡所得の計算では、取得費から減価償却費相当額を引いた金額を使います(No.3152)。事業で減価償却をしてきた車は、購入代金そのままではなく、減価償却費相当額を引いた額が取得費になります。
  • 取得価額が10万円未満などの減価償却資産や、売るために仕入れた車を続けて売るときは、譲渡所得ではなく事業所得または雑所得になります(No.3105)。
  • 譲渡益は、事業所得などほかの所得と合計して税額を計算する総合課税です(No.3152)。

売却したときの帳簿上の処理や、消費税の扱いは、事業の形や帳簿のつけ方で変わります。国税庁の確定申告書等作成コーナーの画面か、税理士・税務署の相談窓口で確かめてください。会社員の副業で車を売り買いする場合は、副業収入の確定申告の20万円の目安も見てください。

相続した車を売るときは、先に何をする?

相続した車を売るときの先頭の問題は、税金より名義です。国土交通省は、名義変更(移転登録・変更記録)は「税金・保険などトラブルの元になりますので手続はお早めに」と案内しています。関東運輸局の案内では、車検証の「所有者の氏名又は名称」の欄を確かめます。

確かめること案内されている扱い
車検証の所有者が亡くなった方かそうなら相続の手続きが必要。第三者(ローン会社など)が所有者なら、その車に相続は発生しない
相続人の誰が名義を取るか相続人のうち1人が相続する場合(単独相続)、全員が相続する場合(共同相続)、相続と第三者への名義変更を同時に手続きする方法がある
車検が切れているか切れたまま第三者に名義を変えるときは、一時抹消登録をしてから所有者変更記録
解体して手放すなら所有者が亡くなっている場合、永久抹消登録は相続人のうち1名の申請でも受理される。相続による移転登録はしない(戸籍謄本等を添付)
相続人の事情未成年の相続人がいて利益相反なら特別代理人、相続放棄した人がいれば相続放棄申述受理証明書が必要

出典:関東運輸局「自動車の相続による手続き」、国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト(売買等による譲渡・抹消登録)、2026年10月4日確認。必要書類は管轄の運輸支局または自動車検査登録事務所で確かめてください。

売却益の課税は、生活に使っていた車なら非課税、そうでなければ上の譲渡所得の計算になります。国税庁の原文には、相続した車を別の扱いにするとした記載は見つかりませんでした。取得費などの扱いが気になるときは、税務署に確認してください。車を手放して運転をやめる場合の手続きの全体は、免許を返納したら車はどうするにまとめています。

自動車税は、売却で戻る?廃車なら?軽自動車は?

「車を手放したら税金が戻る」と言われるのは、主に自動車税の月割還付のことです。ここは売却と廃車で扱いが分かれます。東京都主税局の案内で確かめました(令和8年4月1日から、都は「自動車税種別割」を「自動車税」と呼んでいます)。

手放し方自動車税(普通車)軽自動車税
売却(名義変更・所有者変更)年課税。4月1日現在の所有者にその年度分を全額課税月割の還付制度なし。4月2日以降に名義変更しても年税額の全額
廃車(抹消登録)月割課税。4月から抹消の月までの月数で課税月割の還付制度なし。4月2日以降に廃車しても年税額の全額

出典:東京都主税局「自動車税」、清瀬市・柏市・昭島市の軽自動車税のよくある質問、2026年10月4日確認。ほかの道府県・市区町村の取扱いは、各自治体の案内でご確認ください。

廃車(抹消登録)で月割になる場合、東京都の税額の式(年額 × 課税される月数 ÷ 12)から、納付済みの年額のうち課税されない月の分が戻る計算になります。年額36,000円(自家用乗用車で1.5リットル超2リットル以下、令和元年10月以後の初回新規登録の東京都の税率表)の車で、抹消登録をした月ごとの目安は次のとおりです。

抹消登録をした月課税される月数(4月から)その年度の税額戻る額の目安
6月3か月9,000円27,000円
9月6か月18,000円18,000円
10月7か月21,000円15,000円
12月9か月27,000円9,000円
2月11か月33,000円3,000円
3月12か月36,000円0円

戻る額は、東京都の月割課税の表から計算した目安です。グリーン化特例や車の種類で税額は変わります。還付の手続きと時期は、お住まいの都道府県税事務所でご確認ください。

つまり、まだ使える車を売る場合は、名義が買い手に移るだけで、自動車税は月割で戻る形にはなりません。すでに払った分を査定額に含めるかは、買取店との契約の内容で決まります。車が使われなくなる廃車のときに月割になるので、古い車や動かない車を手放す場合は、廃車扱いになるかどうかで戻る額が変わります。名義変更や廃車の登録をしないと、前の所有者に引き続き課税されることがあると東京都は注意しています。

自動車重量税・自賠責・リサイクル料金は戻る?

税金のほかに、車を手放すと動くお金が3つあります。公的な案内で確かめた範囲を並べます。

項目売却(中古車として手放す)廃車・解体(使用済自動車として手放す)
自動車重量税確かめた原文に還付の記載なし車検の残りが1か月以上なら、永久抹消登録と同時に還付申請。支払いまでおおむね2か月半程度
自賠責保険契約者変更(権利譲渡)の手続き。窓口は損害保険会社(共済組合)解約手続きができる。返戻金は手数料や保険期間を勘案した額で、残り1か月未満なら返戻なし
リサイクル料金相手方から、車両価値金額に加えてリサイクル料金相当額(資金管理料金を除く)を受け取る未支払い分があれば支払う。引取業者から使用済自動車引取証明書を受け取る

出典:国税庁 No.7193「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度」、国土交通省 自賠責保険・共済のよくある質問、自動車リサイクル促進センター「リサイクル料金の支払い・受け取りの流れ」、2026年10月4日確認。

自賠責の解約は、廃車した時点ではなく、保険会社(共済組合)で手続きをした時点で解約になると国土交通省は注意しています。窓口は損害保険会社で、代理店ではできないとされています。

よくある質問

Q. 車を売ったら、自動車税は戻ってきますか?

A. 売却(名義変更)では、都道府県から月割で戻る扱いにはなっていません。東京都の案内では、所有者が変わるときは「4月1日現在の所有者にその年度分を全額課税」とされています。月割の課税になるのは廃車(抹消登録)のときで、納付済みなら課税されない月の分が戻る計算です。買取店に売る場合に、すでに払った自動車税を査定額に含めるかどうかは契約の内容によるので、見積書で確かめてください。

Q. 軽自動車を売る・廃車にするとき、軽自動車税は戻りますか?

A. 軽自動車税には月割で還付する制度がありません。清瀬市・柏市・昭島市の案内では、4月1日に所有していれば、4月2日以降に名義変更(譲渡)や廃車をしても年税額の全額を納めるとされています。

Q. 通勤に使っていた車を売って利益が出ました。確定申告は必要ですか?

A. 国税庁は、通勤用の自動車を生活用動産の例に挙げ、その譲渡による所得は課税されないとしています。売却益だけを理由にした申告は要りません。ただし、医療費控除で還付を受けるなど、ほかに申告をする理由がある年は別の話です。生活に使っていた車かどうか迷うときは、税務署に確認してください。

Q. 買い替えで下取りに出した場合も同じですか?

A. 下取りも、車を譲渡することに変わりはありません。国税庁は譲渡を「通常の売買のほか、交換、競売…も含まれる」と説明しており、生活用動産に当たる自家用車なら、下取りで差益が出た場合も課税されない所得の範囲です。リサイクル料金は、自動車リサイクル促進センターの案内では、売却・下取りのとき相手方から車両価値金額と合わせて受け取ります。

Q. 廃車にしたとき、自動車重量税は戻りますか?

A. 国税庁によると、解体を事由とする永久抹消登録(または解体届出)と同時に還付申請をし、車検の残りが1か月以上あれば、残りの期間に相当する額が還付されます。還付されるまでは、申請書が運輸支局等に出されてからおおむね2か月半程度かかるとされています。中古車として売却する場合の還付は、確かめた原文には書かれていません。

Q. 自賠責保険は、車を売ったあとどうなりますか?

A. 国土交通省のFAQでは、車を譲渡するときは契約者変更(権利譲渡)の手続きが必要とされ、窓口は契約している損害保険会社(共済組合)です。廃車にした場合は解約手続きができ、返戻金は手数料や保険期間を勘案した額で、保険期間の残りが1か月未満なら解約返戻保険料はありません。廃車した時点ではなく、手続きをした時点で解約になる点にも注意が必要です。

Q. 相続した車を売るとき、先に何をすればいいですか?

A. 車検証の「所有者」の欄が亡くなった方になっているときが、相続の手続きが必要な場合です(第三者が所有者なら相続は発生しません)。関東運輸局の案内には、相続と第三者への名義変更を同時に手続きする方法があります。書類は相続人の範囲や人数、相続放棄の有無で変わるので、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所に確認してください。

参考・出典

※税の取扱いや還付は、車の種類・使い方・お住まいの自治体・契約内容で異なります。個別の判断は、税務署・都道府県税事務所・運輸支局・税理士にご確認ください。

運

会社員の計算帳 運営事務局

本サイトは個人が運営する情報提供サイトです。労働・税金・社会保険について、厚生労働省・国税庁・金融庁などの公開情報をもとに記事を編集・公開しています。お問い合わせは お問い合わせフォーム よりお願いします。