副業が20万円以下でも住民税の申告は必要|期限・出し方・しない場合
副業の所得が年20万円以下なら、会社員は所得税の確定申告が要りません。ただし確定申告をしない場合、住民税の申告は別に必要です。横浜市は「給与所得以外の所得がある場合には、所得の多寡にかかわらず申告していただく必要があります」と案内しています。あなたの副業が月1万円ほどでも、申告の要否は「所得税が不要かどうか」とは別に決まります。期限は毎年3月15日。この記事では、自分がどちらに当てはまるか、出し方、申告しなかったときの扱い、住民税を自分で納める「普通徴収」の欄まで、横浜市・大阪市の公式案内で整理します。
20万円以下でも住民税の申告が要る理由
所得税と住民税は、申告が要らなくなる基準が別々です。所得税は、国税庁の案内(No.1900)で、給与を1か所から受けている人は、給与・退職金以外の所得の合計が20万円以下なら確定申告をしなくてよいとされています。
住民税にはこの20万円の基準がありません。横浜市の「給与以外に副収入がある場合の住民税の申告は…」という案内は、原稿料15万円の人の例で次のように答えています。
横浜市の案内(原文)
「住民税の場合は、所得税と異なり、所得の多少にかかわらず、給与所得と合算して税額を計算することになっています。あなたの場合、原稿料について所得税の確定申告をした場合は、住民税の申告がされたとみなされ、住民税の申告は不要ですが、確定申告をしなかった場合は、住民税の申告をする必要があります。」
大阪市の申告案内も、申告が必要な例に「事業でない程度(副業等)の報酬(原稿・作曲・デザイン・講演料等)などによる所得があった場合」や、フリーマーケット等の個人取引、インターネット広告による所得を挙げています。会社員で給与のほかにこうした所得がある人は、確定申告をしないなら住民税の申告をすることになります。
20万円は「収入」ではなく「所得」です
所得は、収入から必要経費を引いた金額です。経費の考え方は副業収入の確定申告が必要な条件と住民税で会社にバレない方法で整理しています。住民税の申告が要るかどうかは、所得が1円でもあるか(給与以外の所得があるか)で考えます。
あなたは申告が要るか(早見表)
会社員(給与を1か所から受けている人)で、副業の所得があるときの目安です。
| あなたの場合 | 所得税 | 住民税の申告 |
|---|---|---|
| 副業の所得が20万円以下で、確定申告をしない | 申告不要 | 必要 |
| 副業の所得が20万円超 | 確定申告が必要 | 確定申告をすれば不要 |
| 医療費控除などで確定申告をする | 確定申告をする | 確定申告をすれば不要 |
横浜市・大阪市とも「所得税の確定申告書を提出した人は、住民税の申告をしたものとみなす」と案内しています。ですから、どのみち確定申告をするなら、住民税の申告を別に出す必要はありません。
迷うのは1行目の人です。所得税の申告が要らないことと、住民税の申告が要らないことは別なので、この人は市区町村へ申告書を出します。なお、所得税の20万円の基準の詳しい条件(給与が2か所ある場合など)は国税庁の案内で確認してください。
期限と出し方(窓口・郵送・eLTAX)
住民税の申告は、毎年1月1日現在の住所地の市区町村へ、前年1年間の所得を申告します。期限は毎年3月15日(土曜日・日曜日・祝休日の場合は翌開庁日)です(横浜市・大阪市の案内)。大阪市は、所得税の確定申告と同じ期限であると説明しています。
| 方法 | 横浜市 | 大阪市 |
|---|---|---|
| 窓口 | 各区役所の税務課。8時45分から17時まで(土日祝を除く) | 市税事務所。2月16日〜3月15日は区役所等の臨時会場でも受付 |
| 郵送 | 可。混雑緩和のため、できるだけ郵送を依頼 | 可(郵便・信書便)。控えが要る場合は切手を貼った返信用封筒を同封 |
| 電子 | eLTAX。スマートフォン等とマイナンバーカードを使う | eLTAX、または大阪市行政オンラインシステム(給与・雑所得の申告が対象) |
受付場所や時間は市区町村ごとに違うため、お住まいの市区町村の案内を確認してください。上の表は、令和8年度分(令和7年中の所得)の申告についての案内です。
申告書に書くことと用意する書類
横浜市の案内では、市民税・県民税の申告は「収入・必要経費および所得控除」について行います。副業の所得を申告するときは、次のものを手元に置いておくと書きやすくなります。
- 収入がわかるもの:支払通知書・支払調書など(横浜市の案内では「その他の所得があった人」の欄)
- 必要経費がわかるもの:領収書、カード明細、按分の根拠など
- 給与の源泉徴収票:会社員の本業の分
- 各種控除の証明書:社会保険料や生命保険料の控除証明書、医療費控除の明細書など
申告書は市区町村のサイトでダウンロードでき、横浜市と大阪市は源泉徴収票などから税額を試算して申告書を作れる画面も用意しています。医療費控除は、横浜市の案内で「医療費控除の明細書」の添付が必要とされています(領収書では受け付けられません)。
副業の収入と経費は、年末にまとめて思い出すより、日々の記録から集計するほうが書き間違いが減ります。事業所得として青色申告をする場合の記帳は青色申告65万円控除の効果で解説しています。
申告しないとどうなるか
市区町村の公式ページで確認できたのは、次の3点です。
- 市が調べて追加で課税することがある:横浜市は「申告が必要にもかかわらず、申告されなかった場合は、本市で課税のための調査を行い、追加の賦課を行う場合があります。必ず申告期限までに申告してください」と案内しています。
- 他の手続きに響く:大阪市は、申告内容が住民税の決定だけでなく、国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険の保険料、保育料、公営住宅家賃の決定などにも使われると説明しています。
- 期限後でも申告はできるが遅れが出る:横浜市は「申告期限が過ぎても申告できます」としたうえで、税額決定は毎年5月〜6月なので早めの申告を求めています。税額決定後の申告は、内容によって税額の変更通知が送られます。大阪市は、期限後の申告は決定通知書の送付や課税(所得)証明書の発行が遅れることがあるとしています。
課税された税額を納期限までに納めないと、延滞金が加算されます。横浜市は「納期限を過ぎると、納期限の翌日から納める日までの期間の日数に応じ、法律で定められた割合で計算した『延滞金』が加算されます」と案内し、計算した金額が1,000円未満なら納付は不要としています。
気づいたときが申告の時期です。期限を過ぎていても、お住まいの区役所や市税事務所に問い合わせて申告書を出せます。
普通徴収で会社に知られにくくする欄
住民税の申告書の表面には、徴収方法を選ぶ欄があります。横浜市の案内によると、申告書表面の右下最下段にある「自分で納付(普通徴収)」にチェックして提出します。これで、副業分の住民税は、市区町村から自宅に届く納税通知書で自分で納める形になります。
横浜市は、令和6年分以降の所得税の確定申告書をe-Taxなどで作る際に、給与を複数の会社から受けていて他の所得がない人などは、主たる給与以外の所得にかかる住民税の徴収方法を選べなくなったと案内しています。その場合に普通徴収を希望するなら、住民税の申告書を出す必要があります。
確定申告書で徴収方法を選ぶ手順、特別徴収のままだと会社に伝わる仕組みは副業収入の確定申告が必要な条件と住民税で会社にバレない方法にまとめています。なお、4月1日時点で65歳以上の人の公的年金等にかかる住民税は年金から差し引かれ、徴収方法を選べません(横浜市の案内)。
会社の副業規定は別に確認してください
住民税の納め方と、会社が副業を認めているかは別の話です。就業規則に副業の届け出や禁止がある場合は、先にそちらを確認してください。
よくある質問
Q. 副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要ですか?
A. 所得税の確定申告をしない場合は必要です。横浜市は「給与所得以外の所得がある場合には、所得の多寡にかかわらず申告していただく必要があります」と案内しています。確定申告をした場合は、住民税の申告をしたものとみなされます。
Q. 住民税の申告の期限はいつですか?
A. 横浜市・大阪市とも、毎年3月15日(土曜日・日曜日・祝休日の場合は翌開庁日)です。期限を過ぎても申告はできますが、大阪市は決定通知書の送付や課税(所得)証明書の発行が遅れることがあるとしています。
Q. 確定申告をした場合、住民税の申告は別に要りますか?
A. 要りません。横浜市・大阪市とも、所得税の確定申告書を提出した人は住民税の申告をしたものとみなすと案内しています。
Q. 住民税の申告はスマートフォンでできますか?
A. 横浜市は令和8年度分(令和7年中の所得)の申告から、スマートフォン等とマイナンバーカードを使ったeLTAX(エルタックス)の電子申告ができると案内しています。大阪市もeLTAXによる申告を案内しており、マイナンバーカードとそのパスワードが必要です。
Q. 申告しないと、どうなりますか?
A. 横浜市は「申告が必要にもかかわらず、申告されなかった場合は、本市で課税のための調査を行い、追加の賦課を行う場合があります」と案内しています。大阪市は、申告内容が国民健康保険や保育料の決定などにも使われるため適正な申告を求めています。